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レンタブル比とは?不動産投資で収益面積が占める最適な割合と目安

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不動産や建築において「レンタブル比」と呼ばれるものがあります。これは、賃貸面積比とも呼ばれる「述べ床面積に対する賃貸部分の床面積の割合」のことで、簡単にいってしまえばビルやマンションなどで廊下やエントランスなどの共有部を除いた収益部分の割合だという事です。

 

廊下やエントランスなどの共有部は賃貸することができないものの、清掃や修繕の経費が発生しますが、貸しているわけではないので非収益部分となり、当然この非収益が占める割合が大きければ利益が少ないことを意味しています。

そのため、購入を考えている不動産などによっては考慮する必要があるわけです。

 

そして、このレンタブル比は建物の収益性を判断する指標の1つとしても使われており、不動産投資でも物件を下見した際や不動産情報に記載されている内容から収益性の高い不動産なのかを確かめることができます。つまり、このレンタブル比を高めることで得られる収益を高めることに繋がるわけです。

 

ただ、逆にいえばレンタブル比を高めると共有部が狭くなったり、機能性が失われるため入居者が見つかりづらくなる可能性もあるでしょう。

そこで、今回の記事では「レンタブル比」の不動産投資において目安となる割合や、入居者の需要の応じてどの程度にするのか最適なのかを解説していきたいと思います。計算方法についてもお伝えしていくので、あなたが気になっている物件や購入しようと迷っている物件があれば、ぜひ「レンタブル比」を計算して最適な収益性を実現しましょう。

 

レンタブル比とは?

レンタブル比とは、冒頭でも解説したようにアパートやマンションなどの共同住宅における延べ面積に対する賃貸可能部分(収益部分)が占める割合のことをいいます。

 

当然ですが、このレンタブル比が占める割合が大きければ得られる家賃収入も大きくなります。しかし、近年のマンションやアパートなどではコインランドリーや自動販売機、エントランスなどを設ける物件も多くあり、共有部の占める割合が小さくなる関係から、見栄えや機能性が低下して物件を探している人の需要に対応しずらため入居者の見つかりづらくなる可能性もあります。

しかし、レンタブル比を低くするとマンションやアパートにおける快適性は向上するものの、収益性は低下することになります。そのため、レンタブル比が高すぎても低すぎても、不動産投資で利益を継続させづらい(空室リスクや利回りの低下)原因になるわけです。

 

それでは、実際にこのレンタブル比を不動産投資で考えるうえで、どの程度の割合が最適な収益性を実現できるのか、実際に計算式も合わせて解説していきたいと思います。

 

レンタブル比の計算方法

例えば、レンタブル比が60%であれば賃貸可能となる面積は延床面積の60%ということになるため、延床面積が100坪の場合には60坪が賃貸とすることができる部分だというわけです。そして、レンタブル比の計算方法は簡単で「専有面積÷延べ床面積」で求めることができます。

レンタブルエリア=専有面積(賃貸可能面積) ÷ 延べ床面積 × 100%

それでは、実際に1つの例としてレンタブル比を計算してみたいと思います。以下は、事務所として使う事を用途とした不動産の間取と各面積になりますが、計算してレンタブル比を求めてみたいと思います。

参照:日本工学院建築学科 H28計画13(二級建築士学科試験問題)

上記の情報では、収益部分の床面積は「事務室面積337.5 m2」であり、述べ床面積は「各階床面積の450m2」になりますので、レンタブル比の求め方は(収益部分の床面積)/(延べ床面積)で以下のように計算することが可能です。

337.5m2 ÷ 450m2 × 100% = 75%

この貸事務所ビルにおけるレンタブル比は75%ということが分かりました。一般的に総延床面積の65%〜80%といわれており、この基準に収まっているこの貸事務所ビルはレンタブル比のバランスが良いといえます。

 

建物の面積では、「建物として機能するために必要な共有部分」と「収益の上がる賃室部分」があり、エレベーターやエントランスなどが前者である「建物として機能するために必要な共有部分」です。先程計算したレンタブル比では、75%という水準ですので、収益を生むスペースの割合が高く、収益物件として効率が良いことが分かります。

 

通路などを工夫して共有スペースを最小化できれば、レンタブル比は向上するので収益物件としての効率も高めることが可能です。ただ、エントランスやその他の共有部分を削りすぎると建物の見栄えが悪くなるため物件のとして魅力が落ち、物件価値が落ちる傾向にあるため、注意しておきましょう。

 

物件種別ごとに見るレンタブル比の目安

前途で一般的な総延床面積の65%〜80%とお伝えしましたが、物件のタイプごとに目安となるレンタブル比はやや異なります。そのため、次は3つの物件種別ごとでレンタブル比を解説していきたいと思います。

  1. 賃貸マンション
  2. オフィスビル
  3. ホテル

賃貸用投資物件といえども、利用する目的によってレンタブル比も違います。そのため、あなたが投資する物件の目安を知っておきましょう。

最近では、オリンピックや新型コロナウイルスの影響などによって、複数の投資家から集めた資金でホテルを運用するホテルリートホテルを一室単位で所有するホテルコンドミニアムにも注目が集まっているので、賃貸マンションやアパートといったもの意外にも不動産投資の選択肢として考えてみるのも意外とありかもしれません。

 

①賃貸マンションの目安

賃貸マンションの場合には、レンタブル比の目安が65%〜80%程度になります。

レンタブル比を向上させるほど賃貸部分の面積が大きくなり収益性が上がりますが、利便性や外観が損なわれてしまう事になります。すると、入居検討者からの人気が下がってしまう可能性があるため、廊下やエントランス、エレベーターといった共有部分を確認しておくことは、賃貸マンションの場合には重要になります。

 

②オフィスビルの目安

オフィスビルの場合、レンタブル比の目安は65%〜75%程度になります。ただ、賃貸用ではなく自社ビルとして保有する場合は、レンタブル比が低い傾向にあります。これは貸す目的ではなく、自社のオフィスとして使用することを目的としており、収益性を考慮していないためです。

ただ、基本的にオフィスビルでは、居住用ではないことからレンタブル比を大きくして所有者の収益性を高めるように設計されていることが多くなっているため、収益性は空室期間が少なけば高いともいえるでしょう。

 

③ホテルの目安

ホテルの場合にはエントランスやエレベーター、廊下といった共有部分が広めに設けられることが多いため、レンタブル比の目安は70%程度になります。そして、快適性を優先させたリゾートホテルなどは、さらに低いレンタブル比になることが多くなっているようです。

 

面積から分かる必要になる経費

ここまで不動産投資において知っておくべき言葉である「レンタブル比」について説明しました。「レンタブル比」を考えてみると、物件の面積から色々と参考にできる情報が多いと分かったはずです。

 

そして、これらの面積は「レンタブル比」のような収益可能面積だけではなく、不動産投資を行うにあたってかかるコストを概算したり、他の物件との比較をすることも可能です。

次は、実際に面積から発生する経費についても解説していきたいと思います。

建築コスト

物件を新しく建築する場合には、物件の面積と不動産開発業者が示す「坪単価」から、ある程度の建築コストを概算することが可能です。坪単価は、1坪(約3.3㎡)あたりにかかる建築費用のことを指し、不動産開発業者は広告などで「坪単価〇〇円」といった表記をすることが多くあります。

 

一度は見たことがあるようなそんな広告は、簡単にいえば1坪あたりに発生する建築費用の目安となるものです。もしも物件を新しく建築する場合には、物件の面積と不動産会社などが示す「坪単価」から、建築コストがどれぐらい発生するのかを概算してみましょう。

維持管理コスト

不動産投資では、物件を購入した後に管理・修繕を行わなくてはいけません。ただ、修繕費がいくらかかるかを考えてみると、「もっと修繕費を使ってもいいのではないか」「ここまで細かい修繕や保険は不必要ではないか」といった、管理費が過度に高すぎたり低すぎたりしないかを把握するのは、意外と困難です。

ただ、物件の面積を把握することで「保険料」「マネジメント費」「水光熱費」「修繕費」といった物件を維持するために発生する経費が妥当なものであるのかを知ることができます。

これらの管理費用は、本来他の物件と比較しても参考にすることはできません。しかし、「レンタブル比」同様、面積あたりの費用を算出することがで他の物件との比較が可能となるわけです。

 

物件の維持管理コストとして発生する経費は、賃貸スペースだけではなく共有部分にも発生するため、面積あたりの費用を算出する際には延床面積を使用して考えてみましょう。

共用部分の管理コスト

「レンタブル比」は、述べ床面積に対する賃貸部分の床面積の割合と説明しましたが、貸床面積には共有部分の面積は入らないため貸床面積と延べ床面積の差を知ることができます。

この貸床面積と延べ床面積が何の役に立つかというと、この差は共有部分の面積と捉えることができるため、仮に貸床面積が同じで述べ床面積が違う2つの物件が合った場合には、延べ床面積が大きい物件の方が共有部の面積が大きいと考えることできるわけです。

 

共有部分の面積が大きい場合には、当然ですがその分だけ清掃にかかる費用や管理道具にかける経費も増えるため、より多くの諸経費が必要になる可能性が指摘できます。

 

物件面積からわかる家賃収入

レンタブル比は物件に対する収益面積の割合ですが、不動産の面積を知っておくことで家賃収入を予測することもできる指標になります。近隣のアパートうやマンションの物価の賃料単価を用いること大凡の収入予測を行うことも可能です。

 

賃料単価というのは、賃料を貸床面積で割った値のことであり、部屋探しをする際にも家賃が高いのか安いのかをすることができます。もちろん、「家賃が高い=良い物件」というわけではありませんが、比較する場合の基準となるのが賃料単価で、以下のように求めることができます。

家賃(円) ÷ 賃貸面積(㎡) = 家賃単価(円/㎡)

例えば、毎月の家賃が6万円で30㎡と10万円で50㎡の2つの物件があったとします。

その場合、賃料5万円の物件では「6万円÷30㎡=2000円」となりますが、賃料10万円の物件は「10万円÷50=2000円」となり、賃料自体は10万円の物件の方が高くなっていますが、賃料単価は30㎡の方が高いということが分かります。

 

このような賃料単価で差が発生するのには、入居者の予算や家賃相場が関係しています。当然、家賃が高ければ住める人が限られてくるため、入居者の候補は減ります。そうなると誰も入居してくれない可能性もあるので、面積が広くても単価を安くするというわけです。

 

購入を検討している不動産物件が合った場合には、まずその近隣の物件で賃料単価を計算してみてください。そして、その値に投資を検討している物件の貸床面積をかけることで、おおよその家賃収入を概算することが可能になります。実際に不動産投資で物件を購入する際には、より細かい点を考えてシミュレーションしていくことが重要ですが、他のエリアと立地を比較する段階では物件の大まかな家賃収入を知ることが可能となっています。

 

まとめ

今回の記事では、不動産投資において考えるべき1つの指標である「レンタブル比」について解説しました。投資する物件の面積に占める収益部分などは、意外と見落としがちであり、比較してみなければ気づかない点も多くあります。

また、その面積をより詳しく見ていくことで、経費や得られる賃料収益も知ることができるため、単純に利回りや不動産投資におけるリスクばかりに着目するのではなく、しっかりと投資物件に対して収益が得られる情報収集が出来ているかと考えることもできるはずです。

 

「レンタブル比」については、中古物件などでは変更しようがありませんが、これから購入しようと考えている物件の比較やリフォームを行う予定であれば参考にすることは可能です。また、戸建住宅はアパートやマンションと比較しても共有部分がないうえ、建築費用が抑えることができるため10%を超える利回りが期待できるといわれており、中古の戸建物件の利回りが最も高いのは建築構造的にも大きな要因かもしれません。

 

レンタブル比を含めて面積を上手く活用することができれば、単に広いのか狭いのかではなく、表面的には判断しずらいメリット・デメリットを知ることが可能となります。どの物件にするか迷っている場合には、面積に注目するのも良いでしょう。

 

述べ床面積に対する収益部分であるレンタブル比は、割合の大きさ次第で建物の収益性に少なくない影響を与えるため、あくまでも収益部分と非収益部分のバランスが大切だと覚えておくようにしてください。

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