資産設計を考えるうえで、何十年も先の将来をイメージすることは大切です。特に人生100年時代と呼ばれ、平均寿命の長さから個人のライフコースの見直しも迫られている昨今では、老後から先の人生プランも早い段階で考えようとする若い人も増えています。
ただ、実際に将来のことを考えたときに何ができるのか分からない人も多く、周りに聞こうとしても意外と何も考えておらず行動していないという人は少なくありません。もちろん、それがいけないわけではありませんが、今はまだ安心というだけでは将来的に年金の減少や消費税の増加など、今と比べて状況も悪化してしまえば老後も働き続けたりなんてこともあるかもしれません。
そこで老後までの長い時間を使って行う資産形成で、近年需要が高まっているのが不動産投資です。
不動産投資は資産運用における王道的な投資の1つですが、単純に家賃収入という目的以外にも得られるものが多く始める人が増えています。ただ、1つのマンションやアパート、戸建てを購入するという安い買い物ではありませんので不安も大きいと思います。
実際に周りに不動産投資を行っている人も少なく、判断に迷う人も多いはずです。そこで今回の記事では、不動産投資を行っている人の「年齢」や「理由」「年収」について解説していきたいと思います。
どのような理由から不動産投資を始めるに至り、他の人はどれぐらいの年齢や収入で不動産経営を行っているのか参考にしてみましょう。
不動産投資を行っている人の年齢と男女比率
参照元:日本財託グループ
不動産投資を取り組まれているオーナーは、日本財託グループの調査で幅広い年代でいることが分かります。特に40代で30%、次いで50代が26%と最も多く、不動産投資をしている人は40代〜50代で半数以上を占めている状況です。
また、男女比率に関しても女性に比べると男性の方が圧倒的に多く8割になっており、女性も少ないものの2割が不動産オーナーであることが分かります。これは、男女における社会的な立場の違いや年収の違いなどもあり、やはり収入の多さや家庭的なポジションから資産を増やす決断をするのは男性の方が多いということもあるはずです。
また、70代や80代は年齢的にも働いている人はごく少数で、持病を抱えているといった問題や返済期間の関係から金融機関から融資を受けることができないことも不動産投資を行えない理由です。
しかし、最も働き盛りといえる20代の人達が80代と変わらないほどオーナーとして少ないのも気になります。特に将来的な時間の余裕もあることから融資も通りやすい傾向にありますが、なぜ各年代の中でも最も高齢な80代の人達と同じく20代が少ないのでしょうか。
これには社会的な背景や考え方の違いが大きく関係しています。
20代の不動産オーナーが最も少ない理由
20代の多くは大学卒業後に就職し、ある程度仕事に余裕が出てくるのも1〜2年経ってからになります。ただ、年々サラリーマンの年収も低くなっている傾向があり、特に20代ともなれば顕著です。
昨今は車離れや結婚願望の低下などが若者の間で起こっていますが、その原因の1つに収入面も関係しているでしょう。
20代前半というのは新卒で入社して間もないことから、収入もそこまで高くないのが一般的ですが、20代後半ともなると昇進し始める人も出始める年齢でもあるため20代前半よりも収入は高くなっています。
国税庁が行っている「民間給与実態統計調査(令和元年分)」の結果では、20代前半の平均年収は264万円。20代後半の平均年収は369万円となっていますが、恐らく大学を奨学金で通っていた人は20代で他のことに回せる資金的な余裕もないはずです。
資金的な余裕を生むためのお小遣い稼ぎとして不動産投資を考えるサラリーマンもいますが、やはり年収の少なさから金融機関からの審査に通りづらくなる傾向や若いからこそ将来への具体的な行動は後回しになることになります。
例え考えたことがあってとしても、ほとんどの人が朧気に将来のイメージしているぐらいで実際に収支や貯蓄といった資産関係まで具体的に考えていないでしょうし、もしも病気になってしまったり事故などの怪我で寝たきりといった不安になるようなイメージを働き盛りな20代から想像はしていないはず。
つまり、将来のことを考えてはいても「まだ何十年も先の話」という事もあり、将来へ対する資産増加を考えてもそこまで投資できる資産がないというパターンが多いことから、具体的に将来のための行動を起こすことが非常に少なくなっています。
これは当然かもしれませんが、やはり今不動産投資を最もやっている40代や50代の人達も同じような考えは持っていたはずです。また、近年では物価や消費税(1997年から5%増)などの税金が上昇していることもさらに余裕がなくなる原因となっていますが、そういったネガティブなイメージが話題になることも多いことから、将来に向けて資金計画を早く考える若者も増えてきています。
年収1000万円以下が8割を占める不動産オーナー
不動産投資を含め、投資と聞くとまとまった資金が必要になるイメージをお持ちの人もいるかもしれません。ただ、株式取引や外貨取引を含め、今では以前とは比べ物にならない少額から始めることもできるようになっています。
そういった大きな資金が必要なイメージがあることは、投資に対して足踏みしてしまう最も大きな理由の1つです。その中でも不動産投資は現物資産になるうえ土地や建物を丸ごと購入することもあり、やはり他の投資に比べると高額になるのは事実です。
しかし、不動産のような大きな投資をしている人が全て年収が高いかといえばそうではありません。以下は年収ごとのオーナーの割合になりますが、8割近くを年収1000万円以下が占めており、2割は500万円以下となっています。
参照元:日本財託グループ
もちろん、年収が高いことに越したことはありませんが、不動産は数千万円単位での資金が必要になります。そう考えれば、年収が低ければ不動産投資ができないわけではないと分かりますし、現在不動産投資を行っているオーナーは収入に対して投資物件の方が高いにも関わらず不動産経営を行えている理由があることが分かります。
それは、不動産投資が他の投資と違った特徴があるためです。
年収の何倍もする価格の不動産へ投資できる理由
前途でお伝えした年収は、当然ですが丸々使えるわけではありません。しかし、そう考えると自身の年倍もする不動産へなぜ投資できるか疑問に感じる人もいるかもしれません。その理由は他の資産運用の方法は違い、金融機関から融資を受けることができるためです。
また、金融機関の融資が通るということは、金融機関も融資したお金を回収できると判断しているためです。他の投資では考えられませんが、不動産投資では融資によって投資物件を購入することが可能で、不動産経営を行っている人のほとんどは金融機関からの融資を受けて不動産投資を始めます。
融資の方法は様々ですが、最近では初期費用も含めて融資を受けられるものもあり、返済期間は長くなりますが資産を崩したくない人も物件購入後に家賃収入から返済を行い、投資資金がほとんどかからず不動産オーナーになっているという人も少なくありません。
そういった資金の負担が少なくて済むことも不動産投資がサラリーマンに人気になっている理由ですが、そもそもなぜ不動産投資を始めようと考えたのでしょうか。理由は様々ですが、次は不動産投資に投資しようと考えた理由を解説したいと思います。
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