日本人は世界的に睡眠時間が少ないと言われている。
これは自身の生活を見直してみると、あながち間違いではないと感じる人も多くいるかもしれないが、睡眠不足で起きる影響は生活・仕事・健康と大きい。
「眠たいな…」と思うことはあって、自身の能力が落ちていることを体感的に感じることは難しいため、日常の中で影響が出ていると気付く人も少ないのではないだろうか。
ビジネスでの成果や健康を保つという点においても、睡眠は欠かせない要素の1つだが、睡眠が足りていないことで起きる影響と質の良い睡眠を取ることができるポイントについてお伝えしていく。
人生のうちで約3割を割いている「睡眠」を今一度見直し、いざという時にあなた本来の能力を発揮できるようになっておこう。
日本人は世界的に最も睡眠時間が少ない
あなたは普段の生活でどれぐらい睡眠時間をとっているだろうか。
体は休まっても、仕事の労働時間の多さやストレスから心までは睡眠で休まらないという人もいるかもしれない。
OECD(経済協力開発機構)諸国で実施された調査結果では、各国の平均睡眠時間8時間25分に対して日本人は約1時間少ない、7時間22分という睡眠時間になっている。
調査対象国の中では最短の睡眠時間であり、アメリカやフランスといった先進諸国の睡眠時間はOECDの調査結果でも平均を超えていることを考えると、日本人は本来の能力を発揮できていない可能性が高いかもしれない。
睡眠時間が不足するとさまざま悪影響が発生
睡眠不足が続くと、当たり前だが色々な悪影響が発生する。
冒頭でも述べたようになかなか体感的に気付くことは難しいが、眠たくて集中できない経験をしたことがある人は多いだろう。
特に仕事がデスクワークを行っているビジネスマンは座っている時間が多いため、かなりしんどいはずだ。
そして、睡眠不足は集中力がなくなるという以外にも「心身の不調」「能力の低下」「ストレスの増加」と発生する悪影響はかなり大きい。あなたが日頃感じているストレスや仕事のミスは睡眠不足によって起きているかもしれないということを留意して考えて見る必要があるかもしれない。
睡眠不足の悪影響①「心身の不調」
人間は起きている間に疲労物質を身体を溜め込むため、睡眠が足りないということは非常にまずい。
成長ホルモンが分泌され、代謝が行われると同時に疲労がを回復していくれるが、睡眠が不足するとこの機能が十分に働かず、疲労回復が遅れる事態になる。
その結果、脳疲労が蓄積されるため、無自覚な睡眠不足が長期間続くとステロイドホルモンが分泌されて動脈硬化や高血圧、はたまた肥満の原因にまで発展する。
睡眠不足の悪影響②「能力の低下」
自身の能力が発揮される場所は人によって異なるだろうが、おそらく多くの人が能力を求められるのは働いている職場、つまり仕事になるひとが多いのではないだろうか。
イギリスの非営利組織である「ランド・ヨーロッパ」は、日本の睡眠不足による生産性の低下が約15兆円もあるという推計データを出している。
多く働いて成果を出す物量作戦のようなやり方では、働く人が少なくなった時への負担がひとりひとりに伸し掛かることになる。しかし、現在の日本企業の多くが経費削減の目的から人件費削減で多くに人員をリストラしている面もある。
日本人の労働時間はヨーロッパ諸国に比べて長い一方で、生産性が引くなっている。
多く働き、残業するのが当たり前、真面目に働くことが美徳とする日本の風潮は、結果的に睡眠不足による影響で長時間労働になった可能性も否定できない。そしてその結果が、さらに生産性の低下を招き、悪循環が日本社会の中で当たり前になっていて気付くひとも少ないという側面もあるだろう。
睡眠不足の悪影響③「ストレスの増加」
仕事や子育て、人間関係に経済状況と悩みの種が多い昨今では、ストレスを感じることも多いはずだ。
このストレスも睡眠不足によってより増長してしまうことをご存知だろうか。
例えば、仕事で発生したストレスを身体を抑えようと反応しても、睡眠不足の影響でストレスを抑える働きが弱くなり、不安や混乱が頭のなかで引き起こされる。
こういった状況が続けばうつ病やメンタルヘルスといった不調にも繋がるため、真面目に働く人ほど精神的に体調を崩す人が特に多いことが分かっている。
休日にまとめて寝る「寝溜め」は身体の危険信号
平日は中々睡眠に時間を割くことができず、休日にまとめて寝る「寝溜め」をしている人はいないだろうか。特に若い人であれば、体力に余裕があるため平日は無理をし、休日に疲れを癒やすかのように目覚ましを掛けずに寝ている人も多いはずだ。
休日に思う存分寝れることは確かに気持ちが良いが、「寝溜め」でいつもより多くの時間を寝てしまった人は、明白な睡眠不足のサインだということを理解しておこう。
こういった寝不足で沢山寝てしまうということは明らかな睡眠不足から訪れ、身体が悲鳴を上げている状況だ。生活習慣病やうつ病、認知症のリスクを高めることも研究から明らかになっており、習慣づいた「寝溜め」をする人は特に要注意。
睡眠不足を解消する「質の良い睡眠」の取り方
睡眠が不足することはあなたの心身の健康を脅かし、能力の低下を招くことなるため非常に大きな問題だ。
人生の約3割を睡眠時間に費やすのだから、あなた自身が睡眠への改善に積極的に取り組むことで大きなリターンも得られるだろう。しかし、睡眠不足を解消するためにはどのような方法をとればいいのか。
それは睡眠時間を増やすことはもちろんだが、睡眠の質向上が求められる。
しかし、睡眠時間は日常生活のタイムマネジメントを改善することで伸ばすことができるが、仕事の都合により人によっては限界もあるはずだ。
そこで次は睡眠の質を良くする方法についてをお伝えしていく。
小さい積み重ねであなたの睡眠の質を大きく改善できるはずなので、ぜひ取り組んで見てほしい。
睡眠の質向上のコツ①「邪魔な光を遮断」
人間は太陽の光で体内時計を正常にリセットすることができる。
ただ、単純に家を照らす光、スマホやテレビのから発せられるブルーライトなどの人工的な光は悪影響を与えるため、就寝30分前にはスマホから離れておくことが大切だ。
スマホ依存症の人が多い昨今では、スマホを出来るだけ使用しないというのは無理かもしれないが、寝る前の少しの時間だけなら離れることは可能なはずなので、ぜひ寝る前にはスマホを見ないように注意しよう。
睡眠の質向上のコツ②「体温を上げる」
睡眠と体温は密生な関係があることをご存知だろうか。
睡眠自体に体温を下げる効果があるため、身体の深部の体温が低いほうが良く眠ることができるという研究データも存在している。
この身体の深部の体温を下げるというのは、単純に身体を冷やすというわけではなく、手や足といった部分の温度を上げることが効果的な方法になっている。
就寝前にぬるま湯に入ると良いといわれるのはこのためでもある。
睡眠の質向上のコツ③「寝る3時間前には食べない」
睡眠中に人間の身体は休息を取るわけだが、就寝前に食事を摂ってしまうと食べたものを消化しようと胃が消化液を分泌し、寝ていても身体は消化にエネルギーを使ってしまうことになる。
頭は寝ていても身体は動いているという状態になるため、寝る前には余計なものを食べたりせずに水分補給だけに留めておくように注意しまよう。
睡眠の質向上のコツ④「散歩などの軽い運動をする」
いつもよりも運動をした時にはぐっすり寝れたり、気づいた時には寝ていた記憶はないだろうか。
人間が寝るのは身体を癒やすことはもちろんだが、適度な運動で「疲れ」を蓄積することは睡眠を質を高めるのにもひと役買うことになる。
もちろん、「疲れ」が行き過ぎれば問題かもしれなが、身体を休めて身体を癒そうと脳が命令をするため、眠れずに余計に睡眠時間を削られることがなくなるため、「疲れ」を感じない程度の適度な運動は質の良い睡眠を取るためにも重要になっている。
睡眠時間の少なさ、質の悪さはすぐに改善しよう
忙しい時は寝る時間が惜しいという気持ちは理解できるが、それでも、睡眠不足は健康的にも精神的に百害あって一理がない状態だ。
6時間程度の睡眠では、徹夜と同じだと言われ、睡眠不足の状態では本来の能力の30%しか発揮できないという研究データも存在している。仮に試験があるのなら、普段100点を取っている秀才でも30点しか結果を出せていないことになる。
これは極端な話かもしれない。だが、それぐらい能力が低下する状態で仕事に向かえば、本来こなせる仕事ができない頭の悪い人間とあなたを思う人もいるだろう。
睡眠時間の改善、質の向上を行い、ぜひあなたも本当の能力を発揮してみてもらいたい。
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