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ベーシックインカムとは何? 3つのデメリットで分かる日本導入の可能性

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ベーシックインカムとは何? 3つのデメリットで分かる日本導入の可能性

新型コロナという新しい驚異に大きく揺らぐことの多かった世界経済だが、この国民の生活が危ぶまれた機会に、各国でも何度も議論されながら机上の空論だと思われていた「ベーシックインカム(最低所得保障)」を真剣に導入する国が現れたことをご存知だろうか。

 

このベーシックインカムは、スペインのボリス・ジョンソン英首相が検討する考えを示したことで話題になり、再注目されている。

 

ベーシックインカムは国民に生活できるお金を配る制度のことで、日本での導入は「ありえない」と考える人もいるかもしれない。ただ、実際にベーシックインカムが与える影響は個人に留まらず経済的に大きい。

 

あなたも毎月お金が貰えるとなれば喜んで賛成するはずだ。

今回は、そんな夢なような政策であるベーシックインカムについて解説していく。

 

ベーシックインカムがどのようなものか理解したのち、メリットを感じたら将来の日本でも実現させてくれそうな政治家に投票するのもいいかもしれない。

 

ベーシックインカムとはそもそも何なのか?

ベーシックインカムの説明ベーシックインカムとは「最低所得保証」とも呼ばれ、全国民が暮らせる最低限の所得を保障する政策のことだ。

簡単にいえば、毎月国民が暮らせる最低限のお金を政府が支給してくれるというもの。

 

イギリスの思想家トマス・モアが1516年に『ユートピア』という著書で発表し、このアイデアは繰り返し論じられてきたが、近年あらためて爆発的に関心が高まっている。

 

もし日本で導入されれば、金額は都道府県ごとに変わるかもしれないが、一律なら国民年金である6〜7万円程度(生活保護を目安にするなら10万円前後)は働かなくても銀行に振り込まれるかもしれない。

 

まさに夢なような制度だが、新型コロナウイルスのように未知のウイルスが世界に蔓延したときには、労働をせずとも生活できるだけのお金を貰うことができるため、食料品を購入するといった最低限の接触でウイルスの感染を広がらなくする効果も副次的にあっただろう。

 

新型コロナウイルスの際には、日本は海外と違い休業補償といったものを出し渋ったため、生活するために仕方なく働いて感染を広げてしまうという事態が起こった。もちろん、財源の問題があるため簡単には言えないが、日本でもベーシックインカムを実現することは不可能ではないということをこの記事で知ってもらいたい。

 

いくらあればあなたの生活を維持できるか?

生活するのに最低限のお金を政府が支給してくれるというのなら、根本的に私達はどれぐらいのお金が支給されれば生活を維持できるだろうか。

 

ベーシックインカムが、ただお金を配るだけの政策という見方もできるが、ただお金を支給するなら最低限の暮らしが保てる程度のお金は貰いたいだろう。ただ、あなたが今の生活を維持するために必要なその支給される金額では足らないかもしれない。

 

もちろん、お金を大量に持っている富裕層に合わせるわけにはいかないので、一般的に単身世帯のサラリーマンや家庭を持った世帯を中心に検討されるだろう。

 

しかし、最低限生活できる金額とあなたが生活を維持する金額が違えば、維持するために働く、あるいは今以上に裕福に暮らしたいからこそ真面目に働くだろう。ただ、ベーシックインカムで必要最低限の生活費が確保されてしまうと、最低賃金がさらに下がる可能性もある。

なぜなら、最低賃金は都道府県の物価に合わせて生活するために必要な最低限の金額をベースに考えられているからだ。

 

これはつまり、ベーシックインカムが導入されることで会社から貰う給料が減る可能性も考えられなくはないという事を意味している。

 

実際にベーシックインカム導入国はあるのか

ベーシックインカム導入国

ベーシックインカムを実際に導入している国はまだない。

しかし、ベーシックインカムと似たような政策が海外では行われていたことはご存知だろうか。

 

主にベーシックインカムの導入を検討し、計画運用した国がある。

  1. フィンランド
  2. カナダ オンタリオ州

この2つだ。

そして、スイスでも国民投票位よって一度実現しようとした事がある。

 

「フィンランド」と「カナダのオンタリオ州」、そして「スイス」でベーシックインカムが検討された際の事も事例として説明したいと思う。

 

BI事例①「フィンランド」

フィンランドでは、試験的ではあるがベーシックインカムのような政策が実施された。

2017年の1月から2年間という機関ではあるが、失業者2000人に対して一律で毎月560ユーロ(日本円で7万4300円)が支給された。

 

日本の失業保険と同じようなものではあるが、生活支援のために政府からお金を支給されるという意味ではこれもベーシックインカムだろう。この政策は世界中から注目されたが、フィンランド政府の試験運用通り2年間で計画を終了し、このベーシックインカムの運用は延期されずに終わった形になる。

 

BI事例②「カナダオンタリオ州」

カナダのオンタリオ州では、2017年の7月から3年間ベーシックインカムを試験導入している。

当時の予算は日本円で55億円と膨大で、世界的に見ても世界最大規模のベーシックインカムの導入実験として注目を集めていた。

 

実際にカナダオンタリオ州では4000人近い国民が毎月ベーシックインカムを無条件で受給されていた人数が少ないように感じるかもしれないが、試験運用ということもあり条件が2つ提示されている。

  1. 年間292万円以下の所得→年間最大で146万円の支給
  2. 年間412万円以下の所得のカップル→年間最大で206万円の支給

所得の50%ほどの金額を受け取っていたと現地では報道されていたが、このベーシックインカムの試験導入は2018年7月31日をもって終了した。

 

膨大な費用を要した導入実験ではあったが、市民からの賛同は得られなかったのか新首相のダグ・フォード氏は選挙期間中も導入の打ち切りを訴えたいた経緯がある。

 

スイスでは国民投票でベーシックインカム導入が否決

夢のような政策に見えるベーシックインカムだが、スイスでは国民投票の結果否決している。

なぜなら、スイスがベーシックインカムの予定月額で公開した額は28万円と高額で国民の賛同を得られなかったからだ。

 

高すぎるという理由は、やはり若者への負担が大きくなることへの不満や財政への負担を考慮した国民の声が大きかったからだろう。

 

特例でシンガポールでは年度予算のあまりを支給

シンガポールでは政府が21歳以上の国民全員に対して300ドル(約34000円)の支給が決定され、国民が歓喜している。

 

ただ、支給する理由は来年予算が余ったためであり、継続的な支給ではないためベーシックインカムといえないかもしれない。

予算が余ったから国民に配るというのは、世界的に見ても異例な展開で特に日本ではあり得ないだろう。

 

国民に対する手厚い保護をしてくれる政府は非常にありがたく、国民からの評価も上がることは想像できるが、有事の際(新型コロナなど)に国民への保障を出し惜しんだ日本政府がベーシックインカムを導入するのは遠い夢のようにも思える。

 

日本でもベーシックインカムは一部導入済み?

ベーシックイカム

ベーシックインカムが生活するために最低限必要なお金を支給することだというのはお伝えしたが、日本でもベーシックインカムのような制度があるのをご存知だろうか。

 

それは「生活保護」と「失業保険」だ。

この2つは、何らかの理由により働くのが難しい場合に生活費が支給される制度で、前者と後者とでは支給期間も金額も異なるが、一部の人にとってはベーシックインカムと同じものになる。

 

もちろん、私達国民全員が生活最低限のお金を支給されないという意味ではベーシックインカムとは違うのかもしれない。しかし、新型コロナウイルスのように外出を制限され、働くのも国によって止められる(日本を除く)事態になれば、最低限生活できるお金をその国の政府が負担してくれるため、実質的にベーシックインカムと呼べなくもないはずだ。

 

生活保護と失業保険で国からお金を支給されることは日本ではハードルが高いように感じるかもしれないが、ベーシックインカムのような完璧な制度でなければ似たような制度は現在も存在してるということを知っておこう。

 

ベーシックインカムはデメリットも多い?

ベーシックインカムのデメリット

次はベーシックインカムの問題点についても挙げていく。

良いことも多いが、ベーシックインカムには悪い面も存在しており、具体的なデメリットは3つある。

  1. 財源の問題
  2. 労働意欲の低下
  3. 貧富の差の拡大

 

この3つの問題はおそらく多くの人が思いつく問題点であり、そして解決が難しい課題でもある。

なぜなら、楽をする分の負担が誰かにしわ寄せするような事態になりかねないからである。

 

これは解決するために上手く政策を取る必要があるが、誰かが損をするということは反対意見も多くを占めることになるためスイスのような結果になることにもなるだろう。

 

デメリット①「財源の確保」

日本では社会保障費が増加の一途を辿っており、2013年には総額110兆円の約75兆円が年金・失業保険・生活保護にあたれている。主に年金に消えている社会保障費だが、今後の年齢人口の比率から将来的はまだ上がることは想像に難くない。

 

医療費以外の社会保障費をベーシックインカムに割り当てる場合には、一人あたりの金額が6万円が支給額となる。これでは最低限生活できる金額とは言い難く、今ある財源だけでは厳しいのが現実だ。

消費税の大幅増税や他の形で税収を採取する必要があるため、財政確保のために税制改革で同意が得づらいということがある。

 

つまり、ベーシックインカムによって最低限生活できるお金は貰えるかもしれないが、結果的に税金が多く取られることになるため、働ければ働くほど損をするような構図が生まれるかもしれない。

 

一人10万円をベーシックインカムで導入するには毎月10兆円程度の国家予算を割く必要があるが、もしも生活できる最低限のお金が支給されるとなれば、年金の不足問題を解決することにもなるため年金制度を撤廃しても問題はないはずだ。

そうなれば、必要以上に若者への負担を高齢者が背負わせない世の中にもなるという期待する人もいるだろう。

 

 

デメリット②「労働意欲が低下する」

ベーシックイカムで最低限生活できるお金が手に入るということは、中には働くのを辞めてしまう人もいるはず。

 

あるいはアルバイト程度のお金で贅沢するためのお金を稼ぐ人もいるかもしれない。ただ、今以上に働くことをしなくてもいい状況になれば、自然と堕落していく人も増えていくだろう。日本人は働きすぎとよく言われるが、働かなさ過ぎるのも社会的に問題だ。

 

最低限生活できるお金が支給されることで最低賃金も低下することが予測されるため、ベーシックインカムが導入されれば労金意欲の低下はかなりの割合で見られることが予測される。

ただ、労働時間=生産性という図式は、ドイツのように労働時間が少なくても生産性が日本よりも高いことを省みるに当てはまらないかもしれない。

 

仮に生産能力も低下する可能性が高く、国力自体が低下していくと考えたとしても、今後のAIや機械の進化でこういった問題は解決される可能性もある。

デメリット③「貧富の差の拡大」

労働意欲の低下は生産力の低下を招くとお伝えしたが、今はAIや機械の技術が急速に進歩している時代。

あなたはコンビニやスーパーで無人機のレジなどを見たことがないだろうか。

 

単純作業ほどAIや機械によって変わられる可能性が高く、今の時代でも単純作業を機械やAIが奪うといった侵食が始まりつつある。便利な世の中になっているわけだが、これは労働コスト、つまり人件費よりも機械やAIを導入した方が経営陣から見れば安く費用を抑えることができ、問題も起きづらいからだ。

 

こうなってくると機械やAIの利権を持っている人間や、それを利用した会社の利益が大きくなるが、その代わりに労働できる人間もさらに絞られるため、働くこと自体が難しい世の中が訪れるかもしれない。

 

何より、最低賃金の金額がさらに抑えられることになるため、労働者と経営者の収入差が更に広がることなる。こうなってしまえば、真面目に働いても今の最低賃金よりもさらに低い給料になり、その分の大きい利益を経営層に取られてしまう事態にもなるということだ。

 

ベーシックインカムが導入されれば最低限の生活はできるが、もしも働くことすら難しい世の中で最低限の生活資金を確保することも難しくなれば、貧富の差は今以上の広がりを見せ、さらに目に見える形で私達の生活を脅かす自体になることを覚悟しなくてはいけない。

 

ベーシックインカムで変わる将来への「不安」

ベーシックインカムの導入による賛否両論は専門家や国によって大きく別れるだろうが、あなたはベーシックインカムに対してどのようなイメージを持っただろうか。

 

国民を救う救済制度か、あるいは若者や現役で働きサラリーマンへの負担増しの制度か、人によって感じ方はそれぞれだろう。だからこそ実現が難しく、机上の空論とされている。

 

日本でもしもベーシックインカムの導入が本格的に検討されれば、国民の多くが喜ぶかもしれないが、同じだけ反対派も3つのデメリットから発生するはずだ。現実的な話では財政の問題が一番の課題かもしれないが、他国で導入している富裕税などを導入すれば不可能ではないという声もある。

 

私達の生活が最低限確保できるのであれば、大きなお金を貯蓄しなくても生活する事が一生可能なため、将来へ向けて「不安」を抱くこともなくなるだろう。ただ、同時に働く人、つまり努力するのを馬鹿らしく感じてしまう人も出てくるため、努力が実りづらい世の中にもなる。

 

今の私達にできることは、将来が分からないからこそ、「もしも」という不安に備えた一挙手一足をどのようにするかということに尽きるのかもしれない。

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