投資に興味を持ち始めると、色々な種類の投資方法や金融商品があるため「投資先はどれにしよう」と迷うことも多いと思います。
特に投資信託は、投資資金を預ければ運用や管理を勝手にしてくるので運用経験のない初心者に人気です。
その投資信託を探したり検討していると「ETF(上場投資信託)」という商品を見つけることがありますが、上場投資信託と普通の投資信託がどのように違うのか知らない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では投資信託とETF(上場投資信託)の違いと、なぜ資産運用を初めてやる初心者に人気なのかをお伝えしたいと思います。
ETF(上場投資信託)と一般的な投資信託の違い
ETF(上場投資信託)と投資信託はどちらも投資信託ということは同じになりますが、簡単にいえば上場しているか上場していないのか(証券取引所経由で取引するかしないか)の違いしかありません。
また、投資信託はETFよりも商品数も種類も多く、選択肢が多くなります。一見選定できる商品数や種類が多い方が良いように思えるかもしれませんが、投資経験のない初心者は選択肢が多くなるため商品の選定に迷う可能性があります。
そして、証券会社・銀行・郵便局で取り扱っている投資信託と違ってETFは証券会社でしか取り扱っておらず、金融機関によって扱っている商品も異なるのが特徴です。
その他細かい違いはありますが、基本的に購入時手数料や保有期間中の手数料(信託報酬)が比較的高くなっているので、資産運用で無駄なお金を払いたくない初心者にはETFのほうがオススメかもしれません。
ETFが初心者にオススメの理由①「コストが安い」
投資信託の購入時には、販売手数料として購入金額の1〜3%程度必要になります。
投資信託の1回当たりの取引金額は1万円〜5万円が23%、300万円超が次いで22%、10万円〜50万円が21%という順番で多く、仮に1万円〜5万円という金額で購入するなら100円〜1,500円程度の手数料なので気にならないかもしれません。
しかし、10万円を超えてくると最低でも1,000円〜3,000円。300万円なら3万円〜9万円の手数料が必要になるので、信託報酬を考慮にいれると投資信託で発生する利益よりも手数料が非常に高くなる可能性が指摘できます。
一方でETFの購入時の手数料は株取引と同じなので、100万円分のETFを勝っても手数料の安いネット証券などでは数百円程度で収まる場合もあります。
仮にあなたが100万円を元本として投資信託の購入を考えているとします。
そうすると100万円の手数料(1%〜3%)で1万円〜3万円の手数料が単純計算で発生します。しかし、株取引と手数料が同じなETFであれば、ネット証券ではなく証券会社の窓口で買ったとしても12,000円と抑えることが可能です。
また、ETFは保有中のコストも低水準になっています。
一般的に投資信託は運用のアフターケアが難しくなる商品ほど高額になる傾向があり、年間0.1〜2.5%の信託報酬が日割りで計算されて毎日元本から引かれるようになっています。
ETFであれば信託報酬も年間0.06%〜0.95%程度に収めることができるので、「購入手数料+信託報酬」というコストが非常に安くなっていて初心者にもオススメです。
しかし、投資信託の場合には値段である基準価格は信託報酬が引かれた後なので、100万円の運用で1%が必要だとすると、年間で1万円支払うことになり、年利1%分が発生する利益から減る形になるので、窓口など「年利1〜3%程度は平均で利益が発生しますよ」と言われたら1%減らした利益になると認識しておきましょう。
ETFが初心者にオススメの理由②「海外への分散投資も可能」
ETFで代表的な商品は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった国内の株価指数と連動するものがあります。
日経平均株価などはニュースでも報じられているので耳にしたことがある人も多いと思いますが、その他にもNYダウや海外の指数、金や原油といった先物等の商品と連動するものもあるため、国内だけではなく海外へも資金を分散して投資することができます。
資産運用において特定の銘柄や日本円だけの保有はリスクが発生しますが、ETFは初心者が選びやすく、かつ選択肢が少なくなりすぎない適度な数が揃っています。
そのため、投資資金に見合ったETFでの購入では日本以外を投資先にした商品も簡単にでき、分散投資でリスクも下げることができるのでオススメです。
ETFが初心者にオススメの理由③「つみたてNISAと相性が抜群」
NISAではETFをを売買することも可能です。
NISAについて知らない人は、過去にNISA購入時の注意点を解説した記事NISA購入時の注意点を解説した記事があるので確認してみてください。
NSIAは商品の数も多く、初心者が選ぶにはややハードルの高いといった声もありますが、2018年に開始されたつみたてNISAでは買える商品数が絞られており、より初心者向きになっています。つみたてNISAは言葉通り積立てること目的にしているので、売買タイミングを考える必要もなくドルコスト平均法の恩恵を得ることができます。
ちなみにつみたてNSIAの対象ETFは基本的に3つあり、大和証券のみの取り扱いとなっています。
- ダイワ上場投信-日経225……日経平均株価(日経225)との連動
- ダイワ上場投信-JPX日経400……東京証券取引所(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)に上場する株式などのうち、時価総額、営業利益、ROE(株主資本利益率)などで一定の基準を満たした「投資者にとって投資魅力の高い会社」400社との連動
- ダイワ上場投信-トピックス……TOPIX(東証株価指数)との連動
ETFの注意点
ETFが初心者にオススメできる点を紹介しましたが、どんな投資にもリスクがあるようにETFにも注意しておく部分はあります。
ETFの値動きは投資している市場(株式や為替など)や商品の指数に連動するインデックスファンドと同じになります。
そのため、発生する利益も市場平均並みとなり、ファンドマネージャーが平均以上に値上がりしそうな銘柄を選定して投資するアクティブファンドに比べると、値動きは緩やかになるので利益が大きくなりずらいという特徴があります。
そして、ETFの商品数が少ないと言っても購入時には迷うこともあるはずです。
その際には売買高が大きいものを選ぶようにしましょう。なぜなら、売買高が少ないことで手放したい時に売りたい価格で売れない可能性があるからです。
他の投資に比べるとリスクといえるものではありませんが、ETFでも欲を出さずにあくまで気長に待つことが大切です。
ETFは長期投資向きなので焦りは禁物
今回紹介したETFが初心者にオススメされる理由は、資産運用で既にETFを始めている人なら知っている人も多いと思います。しかし、投資信託に比べると手数料や信託報酬が安く、シンプルで分かりやすい商品だというのは投資信託の影に隠れて意外と認知されていないことでもあります。
ETFも投資で最も大切な時間を使った長期運用が大切になるので、頻繁に買ったり売ったりせずにポートフォリを見直しながら適度な期間で見直し、売買を検討しましょう。
長く保有するなら当然費用ができるだけ少ない商品のほうがいいですし、証券会社や銘柄も重要です。
長期投資を考えている人は、これを機にETFで資産形成を考えてみてはいかがでしょうか。
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