マネープラネット

金融教育を日本も義務化?今の大人が知るべき人生で必要な1つの教養

6244 views

あなたは金融リテラシーという言葉を知っているだろうか?

 

「金融」という言葉を聞くと、漠然と難しいようなイメージを誰でも持ってしまうかもしれない。

しかし、簡単に行ってしまえば、金融に関する知識や情報を正しく理解し、主体的に判断することができる能力の事を指している。

 

これだけでは、まだ分からない人の方が多いだろう。

 

 

金融という言葉で頭に思い浮かべるのが、銀行や証券会社などの金融機関、投資信託や株式投資のような頭の良い人がやっていそうな想像を頭の中で思い浮かべる人もいる。

だが、家計簿で収支を把握したり、将来のための生活設計といった私達が日常で行っていることも金融リテラシーに入るのだ。

 

そういった人生で必要なお金に関するお金の知識の事を金融リテラシーと呼ぶが、金融庁が発表している「生活スキルとして最低限付けておくべき金融リテラシー」は4つある。

  1. 家計管理
  2. 生活設計
  3. 金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品利用選択
  4. 外部の知見の適切な活用

この4つの分野にさらに適切な収支管理やライフプランが15項目に分かれているが、金融教育のない日本では金融リテラシーが世界的に非常に低いことでも知られており、日本での金融知識の向上を金融庁もある種の課題としている。

 

なぜなら、金融リテラシーの高さと金融詐欺防止率は相対関係にあるため、金融知識を最低限身に付けておけば、投資詐欺といった防止にも繋がる側面があるからだ。

 

そして、金融リテラシーが低い傾向の日本において、金融教育が教育機関でも始まろうとしているのをご存知だろうか。

 

今回の記事では、日本でも身に付けている人が少ない金融リテラシーについて触れていきながら、実際に教育機関でも導入される「金融教育」について、どういうものなのかをお伝えしていきたいと思う。

 

将来、子供が当たり前に身に付けているであろう教養を、親であるあなたが自分の子供に教えることができないということがないように、生きていくうえで必要最低限の金融リテラシーをあなたも学んで頂ければと思う。

 

日本で金融リテラシーがある成人の割合は43%

金融教育のない日本において、金融リテラシーのある成人の割合は43%と低い水準だと言われている。 他の国を見てみるとデンマーク73%、ノルウェー71%、スウェーデン71%、英国67%、ドイツ66%、となっており、金融リテラシーの高い国は所得や生活水準も高い傾向があるとされている。 また、70%以上の日本人が金融や投資に関する教育を受けた事がないと答えた調査結果もあり、金融教育を受けた経験の少なさから「投資=危険」「投資=悪」「投資=お金持ちがやるもの」といったイメージを抱く人も少なくない。 参照元:日本生命

 

教育機関で導入開始する「金融教育」とは何か?

冒頭で金融リテラシーについては少しだけ説明したが、金融リテラシーを高めるための金融教育とはなんなのか?もう少し詳細をお伝えしていきたいと思う。

 

金融リテラシーでは、4つに分類される項目「家計管理」「生活設計」「金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品利用選択」「外部の知見の適切な活用」の事だとお伝えしたが、この4つを身につけるために必要な教育、あるいは勉強のことだ。

 

これだけではまだ頭に疑問が残るため、実際に金融教育について4つに分類されるうちの15項目も合わせて見ていこう。

 

参照元:知るぽると:金融広報中央委員会

上記は金融広報中央委員が「最低限身に付けるべき金融リテラシー(お金の知識・判断力)の項目別・年齢別スタンダート」で示したものになる。

 

各年代ごと身に付けておくべきお金の知識や判断力を示している。

そして、金融リテラシーを高めるために教育機関で導入される金融教育は、簡単にいってしまえばお金を計画的に使い、金融トラブルを回避するために留意しておくべきことを教えるお金への向き合い方だ。

 

もちろん、年齢が上がるにつれてお金への向き合い方も変わるため、大学生以降は将来をイメージした収支や資産の運用も考える必要がある。

 

私達の子供が受ける金融教育は段階を踏んで学び、大学生以降はセミナーや書籍で学ぶということを除けば社会経験や対人関係といった様々な人生経験から身に付けていくことが可能だ。

 

ただ、金融教育が導入されていなかった今の社会人は、金融リテラシーを身につけるのが難しいため必然的に自ら学んでいく必要があることを理解してもらいたい。

 

そして、子どもたちがこれから学んでいく金融教育(高校生まで)を説明していくので、あなた自身がどれほど金融リテラシーが身に付いているのか確認してみてほしい。

 

これからの子どもたちが身に付けていく常識になるので、教えられないという事は親に威厳にも関わるかもしれない。

 

「小学生〜高校生」が学んでいく4つの金融教育

金融広報中央委員の金融リテラシーマップでは、小学生から高校生までが学んでおくべき目標内容が「収支やお金のトラブル、ローンや金融リスク」までを中心に書かれている。

ただ、実際に見に付けておくべき金融リテラシーと子どもたちが学ぶ金融教育には大きな乖離があることを理解してほしい。

 

これは当たり前だが、お金の使い方を理解し始める小学生や中学生、これから社会に出ようとする高校生にいきなり「金融商品の適切な選択や将来のための資産設計をできるようにしましょう」などと言っても、子どもたちは興味が沸かないし難しいという印象しか抱かないからだ。

 

そして、金融リテラシーでも大まかに4つに分類されていたが、学校における年齢層別の金融教育でも4つに分けられている。

  1. 生活設計・家計管理に関する分野
  2. 金融経済の仕組みに関する分野
  3. 消費生活や金融トラブル防止に関する分野
  4. キャリア教育に関する分野

上記4つが、実際に子どもたちが金融教育を学ぶうえで理解させたい内容の目標になる。

 

それでは、それぞれの分野ごとに解説していこうと思う。

 

金融教育で学ぶ「生活設計・家計管理」

参照:金融広報中央委員会「生活設計・家計管理に関する分野」

実際に小学生から高校生が学ぶ金融教育の内容の1つである生活設計と家計管理の分野では、お金の価値と計画的消費から始まり、家庭の収支や金利計算、長期的な資産管理までが内容になっている。

 

もう少し詳しく説明すると、中学生からは株式や債権といったものを知り、リスクやリターンの関係やお金を投資することの必要性を理解するといった事までの内容。

高校生からは、実際に学校行事を通して収支管理を学ぶとともに、日常生活でのリスクや病気、事故といった不足の事態になった際に責任や補償問題を理解するといった流れになる。

ここまで聞くと、あなたが想像していた金融教育とは少し違ったものかもしれない。

しかし、お金が関わる場面というのは、私達が生きていくうえでは職場や家族、友人、そして光熱費や税金と日常生活で数多く遭遇するはずだ。

 

もしかすると、お金を使用しない日はないかもしれない。

 

私達が当たり前になっているだけで、金融リテラシーを求められる状況は常日頃あるというわけだ。

そして、多くの人が想像する金融教育(投資や保険など)ではどのような内容を学ぶかと言うと、実際に金融教育が始まる高校生を代表として見てみよう。

 

  • 預金・株式・債券・保険等の基本的な金融商品の特徴を理解し、 関連する経済動向を観察
  • 資金運用を自己責任のもと金融商品を選択する必要があることを理解する
  • 投資で損益発生の特徴を踏まえて、リスクとリターンの関係について理解する
  • 様々な金融資産に分散投資してリスク管理を理解する
  • 目先の価格ではなく、長期的な視点で運用する必要性を理解する
  • リスクの選択方法やとり方は人によって異なることを理解する
  • 投資・投機・賭け事の違いを理解する

これだけ見るとかなり難しい内容に感じる人も多いだろう。

社会に出たサラリーマンでも、おそらく自ら本気で取り組まないと学ぶことができないであろう内容を高校生が身に付けてることができるのかという疑問はある。

しかし、実際に金融教育を取り入れている国では学生が身に付けている知識になる。

 

それだけ金融先進国と日本で差が生じていると言われてしまえばそれまでだが、学校教育の現場では金融教育を受けていない教員が大多数を占めているため混乱する声も上がっているようだ。

 

金融教育で学ぶ「金融や経済の仕組み」

参照:金融広報中央委員会「金融や経済の仕組みに関する分野」

金融教育の金融や経済の仕組みに関する分野では、小学生が銀行に預けることで発生する利息や生産活動におけるお金の動き、役割を理解する。

そして、中学生から高校生では、中央銀行やキャッシュレス関係の機能、市場経済の選択や競争、商品市場・金融市場・証券市場・外国為替市場の動きと機能を理解するのが目標になっている。

 

学ぶ内容が多いように感じるかもしれないが、学生時代に学んだ教科書を思い浮かべると、学生時代の12年間で学ぶのは決して難しくはないだろう。

また、単純に経済の仕組みやお金の流れを把握するという能力を養うだけではなく、経済社会の課題や情報収取での取捨選択。

政府の行うべき施策について自ら考える態度を身につけるという部分もあるが、こちらは現在でも「社会科」や「公民」で取り入れられている内容だ。

 

財政政策や租税を中心とした公的負担の意義、必要性、国民の納税義務についてもしっかりと知ることで、私達の税金が政治家に正しい使われ方をされているのか改めて考える能力を育てることができる。

 

一般的に「公民・社会」と呼ばれる教科で学んできた内容だが、ある種こういった既存の教育の中にも金融リテラシーは潜んでいる。

 

さて、実際に上記の図や説明のなかで、高校生が身につけることを目標としている内容をあなたはどのぐらい教養として身に付けているのか改めて考えてもらいたい。

 

なぜなら、これから取り入れられる金融教育だけではなく、既存の教育からあなたが金融リテラシーを身に付けているのか把握するとともに、足りていない部分から欠けている常識将来を築くために大切な教養が何なのかを知るためだ。

 

金融教育で学ぶ「消費生活・金融トラブル防止」

参照元:金融広報中央委員会「消費生活・金融トラブル防止に関する分野」

消費生活と金融トラブル防止に関する分野は、他の分野に比べると項目的には少ない。

ただ、金融教育という意味では、最も大切な金融リテラシーの1つだといえるだろう。

 

なぜなら、私達は必ず消費行動を日常生活のなかで取り、その過程のなかで価格を高い安いといった物価という要素で購買行動を決めることが多いからだ。

 

また、インターネットが発達した現代では、スマホやパソコンから金融機関の個人情報を盗まれたり、クレジットカード情報を悪用されたりする危険も潜んでいる。こういった背景を省みるに、私達の消費行動と金融トラブルはインターネットが普及した現在は切り離せない環境といってもいいだろう。

 

この分野では、主にお金の貸し借りや困ったときの対処法。そして、インターネットでの金融トラブルやローンの金利や借り入れの返済、詐悪徳処方や詐欺商法の見分けについてを学んでいく。

 

また、インターネットに使われるだけではなく、インターネットを正しく使って情報収集を行い、消費生活に役立てる技術など、インターネットを活用した事例なども多分に含まれている。

 

昨今ではインターネットからでも契約に同意することが金融機関やアプリでのサービスで求められるため、怪しい契約や契約に伴う手数料といった部分にも着目していく流れだ。

 

私達の生活に最も身近な金融リテラシーであり、意外と意識していない人も多い項目だけに学ぶ価値は充分にあるだろう。この内容は、既存の「公民」だけではなく、新たに取り入れられる金融教育で学ぶ内容もあるため、大人も改めて学び直していいかもしれない。

 

金融教育で学ぶ「キャリア教育」

参照元:金融広報中央委員会「キャリアに関する分野」

金融リテラシーとは、お金の事を学ぶ教育と冒頭でお伝えしたが、忘れてはいけないのがあなたの給料を支払っている会社との賃金や労働だ。

 

あなたを含めて多くの人が会社で働き、その対価として給与をもらう。

その結果が私達の生活の基盤になっているわけだが、そういった労働者としての権利や義務、そして会社経営の仕組みや努力の必要性を学ぶのがキャリア教育に関する分野になる。

 

ここでは、お金の大切さを改めて理解するとともに、働くことの大切さや労働が社会の役に立っていると理解する必要性を学ぶ。

 

ただ、ブラック企業と呼ばれる過剰な労働時間や異常なまでの仕事量、そして時間に見合わない低賃金といった最悪な会社も社会のなかには存在しているからこそ、この分野でビジネスについて大切な考え方や権利もしっかりと理解する必要がある。

 

自らの能力を把握するとともに、その能力に対しての会社の対応や自身の社会奉仕など、お金を得るために必要な社会人のエッセンスといってもいいだろう。

社会人になって後悔と苦労をしないためにも、高校生までにキャリア教育を学び、将来に役立つ知識や能力から進路選択を通して職業選択についても考える力を養う事ができる。

 

「大人」なら知らないとまずい金融リテラシー

次は大人が知っているべき金融リテラシーについて伝えていく。

大人が知っているべきということは、社会人なら学び終えているという常識に区分されるだろう。

 

金融広報中央委員会の金融リテラシーマップでは、大学生から高齢者までを細かく解説されているが、基本的には社会人としての自立と責任を理解し、家庭を持つことで発生する資産や負債の管理と大人なら既に経験している内容も入る。

 

もちろん、収集した情報を比較検討し、適切消費行動を行うことも入るので、金融商品の販売や勧誘で適用されている法令や制度も理解しなければならない。

 

ここまでくると難易度が高いように感じるかもしれないが、ほとんどの内容は社会人として会社で働けば経験があるものばかりだ。なので、敢えて経験がないという人も多い資産運用や将来設計の資産収支などを具体的にお伝えすると、基本的には将来必要なお金と現在の資産状況の逆算。そして実現に向けた収支管理に尽きる。

 

銀行にお金を預けておいても利息は0.001%と低い。しかし、株式や投資信託といった利益を狙った資産の運用も初心者からすればリスクが高いように感じるはずだ。

もちろん、ある程度の理解が進めばどの程度のリスクをとれば資産が安全なのかということも分かるかもしれないが、実際に一歩を踏み出すには勇気を必要とする。

 

資産運用による資産の構築で一番いけないことは、損益に一喜一憂するという状態で、こうなってしまっては生活や仕事にも身が入らないだろう。そういった事にならないためにも、配当で利益を狙うような長期的な運用も投資自体の理解が深まれば思い浮かぶかもしれない。

 

つまり「銀行に預けておくぐらいなら、配当で少しでも利息のようなものが発生する預け先に変更する」程度の認識だ。

 

また、人は利益には敏感だが、損失には不安ばかりで具体的な行動と知識が欠けている事が多い。これこそ金融リテラシーが不足しているからこそ起こるが、今の生活を続けた場合の資産リスクや収支管理の見直しといった部分でリスクを把握することも大切だ。

 

なぜなら、老後のお金が2000万円不足するという事態も金融庁から報告されているため、単純に今の収入だけでは病気やリストラのリスクを払拭できないからである。

 

リスク管理の必要性は資産だけではないというのを覚えておこう。

 

 

 

2020年に金融教育が高校の「家庭科」で開始

11月12日の日本経済新聞で高校の家庭科で「投資信託」22年4月から授業というタイトルで記事を掲載した。

高校だけはなく、最近では小学校や中学校でも野村やSMBC日興、日本取引所などが出前授業として特別講師として教壇に立って子どもたちに金融教育が教えられているのをご存知だろうか?

 

文部科学省が平成30年7月に発表した「【家庭編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説」では、以下のような記載がある。

家計管理については、収支バランスの重要性とともに、リスク管理も踏まえた家計管理の基本について理解できるようにする。

その際、生涯を見通した経済計画を立てるには、教育資金、住宅取得、老後の備えの他にも、事故や病気、失業などリスクへの対応が必要であることを取り上げ、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット、デメリット)、資産形成の視点にも触れるようにする。

参照元:文部科学省

 

取り上げようとしている内容を見る限りは素晴らしい方針だろう。

日本人は平均寿命が伸びる一方で、退職金や年金が昔ほど期待できず、老後の資金巡りも昨今では問題になっている。老後破産という言葉が生まれるほどだ。

 

「子供の頃から老後や将来に向けたことを考えなくても」と思うかもしれない。しかし、日本の経済状況で将来に期待して待つぐらいなら、備えられる知識を身に着けて臨機応変に対応できる教養を身につけておいて損はないはずだ。

 

住宅購入資金や子供の教育費を確保しつつも、どう老後に備えるか。

労働収入では賄えない可能性も高いため、1つの解決方法として資産運用といった選択肢があり、「株式」や「債券」「積立」「投資信託」といった金融商品ごとにメリット・デメリットをしっかりと把握することは大切だ。

 

社会に出るまでは親に生活の保証をしてもらえるためリスクを意識することはめったに無い。しかし、大人になり、社会に出ることで様々なリスクを負うことは当然のことだ。

 

そのリスクを社会に出る前に理解することができれば、子供にとっては良いことだと思う。

 

金融教育開始で起こる教育現場での混乱

今回取り上げた金融教育の義務教育化は、教育現場で混乱が見られている。

なぜなら、教える立場である教師たちが金融教育を受けてこなかったせいか金融リテラシーが低いことが要因としてある。

 

当然ではあるが、収支や家計管理といったものをやっている教師もいるだろう。ただ、実際に行っている人も多くなく、かつ資産運用などの金融知識に関しては皆無だ。もちろん、ある程度年齢を重ねた教員はやっている人もいるが、新しく教員として立つ若い世代や30代は学校の行事やPTAといった様々な対応と決して時間を持て余しているわけではない。

 

そして、セミナーなどで最低限の事を学んだとしても、生徒の質問にすべて答えられるかという疑問は払拭できず、教える立場としては生徒たちへの威厳を保つのに苦労する事態になる。

 

金融教育を行うなら、ライフプランニングや資産運用という話だけではなく、企業会計や経済学、統計学、タックスプランニングなども含めて教えることが金融教育には必要になるだろう。しかし、ここまでくると明らかに家庭科の範囲を超えてしまうため、社会や公民のなかでやったほうがいいのではないかという声もあがっている。

 

そもそも、義務教育のなかで完璧な「金融教育」を導入するのは無理だろうし、これ以上授業数を増やすこともかなり難しいはずだ。

 

金融教育を義務教育化するというのは、言うほど簡単ではなく、どこまで教える側の生徒たちにサポートできるのか、そんなことをするなら外部からFPを講師に呼べばいいという声すらある。

 

また、何よりも大きな課題としてあるのは「子供にお金の話はするな」「投資なんて危険だ」という意見が多かったことだ。お金はあっても困るものではないし、今の時代子供でもお金を使って買い物はするだろう。

 

誰だって本当のことを言えばお金が欲しく、好きだが、未だに日本ではお金の話は「汚い」としてネガティブな印象を持つ人が多い。

 

日本ではお金の話はある種タブー視されすぎて、家庭のなかでも具体的な話をしてこなかった傾向が強い。もちろん、何でもお金というわけではないが、頭ごなしに否定的な意見を言うのではなく、子どもたちの役に立つお金の知識を身に着けさせることは決して「汚い」話でも、「危ない」話でもないはずだ。

 

あなたは自分の子供に金融教育をできるか?

金融教育の義務教育化にあたり、今の大人に考えてもらいたい事がある。

それは、あなたは自分の子供に教えられるだけの金融リテラシーを身に付けているのか、ということだ。

 

本格的な資産運用や将来設計などは義務教育化されたとしても簡単に身に付くことではないだろう。現実感が沸かないし、まだ将来のことだと俯瞰して子どもたちは思考してしまうからだ。しかし、既に大人である私達はどうだろうか。

 

義務教育で金融教育を学んで来なかったせいか、世界的に見ても金融リテラシーは低く、正解率は4割というデータも日経新聞で発表されている。

 

学生でいえばギリギリ赤点ではないというぐらいで、平均を下回っている。社会経験だけで4割というのはある意味では凄いことなのかもしれないが、学んでおけば今の日本のように「お金の話は汚いもの」と、取り繕ってしまうこともなかっただろう。

 

金融教育を学生のうちから学ぶことで、もしかしたら子供から質問されるかもしれない。

その時にあなたは答えられるだろうか?

 

答えられる程度の簡単な質問ならまだいいが、もしも金融教育が学年とともに進み、子供の金融リテラシーが上がったのなら、あなたの行っている将来設計や資産運用に「待った」をかけるのはあなたの子供かもしれない。

 

ある意味人生に必要な教養だと思える「金融教育」は、子供に教えるべき勉強の親の責務といる。なぜなら、私達の生活はお金なしでは生きられず、必要不可欠だからだ。

 

お金の教科書ともいえる金融教育は、そういった意味では人生の教科書とも考えられるはずだ。

 

あなたは学校や親に金融教育を教わってこなかったかもしれない。

しかし、金融リテラシーが低いことで起こるリスクを子供の負わせないためにも、あなたが子供のためにできる金融教育、あるいは金融リテラシーを高めることで子供への資産を残すことができれば、人生で発生するリスクと子供がこれから社会で負うかもしれないリスクを減らすことができるかもしれない。

 

子供に金融教育は早いと考える人も多く、賛否両論がでるだろうが、何よりも大切なことは一歩を踏み出したということだ。

 

まずはこの勇気ある一歩に対して敬意を払い、将来の子どもたちへ暖かく見守りながら、今の大人であるあなたにも金融リテラシーが必要なことを理解して一歩踏み出して頂ければと思う。

COMMENTS

コメントはまだありません。

Comment On Facebook

FacebookでシェアTwitterでシェアPinterestでシェア