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9割が知らない「長期投資でのリスク低減」で失敗するかもしれない可能性

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若い人でも最近では多くの人が資産運用をしています。

資産運用を既に始めている人やこれから投資をやってみようと考えている人たちが、投資やお金に関する本、コラム記事やマネーニュースを読むことも非常に昨今多くなったはずです。

 

そこでよく見かけるのが「投資で大切なのはリスクを低減できる長期運用が大切」ということです。

確かに投資においては「長期・積立・分散」は鉄則だとされているほど重要です。しかし、投資にリスクは必ず発生しますので長期投資だからといって必ずリスクが下がるわけではありません。

 

今回の記事では、リスク低減の手段として語られることが多い長期運用でのリスクについて解説していていきたいと思います。

 

そもそも投資におけるリスクとは?

そもそも投資におけるリスクとはなんでしょうか?

リスクが高いくなる、低くなるということを正しく認識するためにも、リスク自体のことを正しく理解しておかなくてはいけません。

 

リスクというのは一見すると損をするものとして認識しがちですが、投資の世界では必ずしも「損をすること=リスク」というわけではありません。

投資におけるリスクとは、投資をした結果が平均化されておらずに価値が大きく変動することを意味します。

 

リスクとリターンは等しい関係です。そのため、基本的には年利1〜3%で運用を考えた場合には同じ分だけ損をする可能性があるわけです。ところが、これが平均化されずに大きく変動してしまえば、極端に損得する可能性があります。

 

これは簡単にいえば、「多く儲かるけど、そのぶん大きく損をする」ということに他なりません。

投資の世界以外ではリスクのことを危険や損と結びつける意味で使われるので勘違いしてしまうのも当然ですが、投資の世界においてリスクとは「損をする可能性」ではなく、運用損益が平均化できない(難しい)投資先において使われることが多い、ハイリスク・ハイリターンになる場合に言います。

 

長期運用・長期投資がリスク低減できるという誤解

長期運用・長期投資によって「投資する資金を減らすリスクを下げられる」というのは良く聞く話です。FPや金融マン、評論家に至るまで多くの人がこのように紹介しているはずです。

 

しかし、「長期運用すれば損する可能性が少なくなる!」と思い込んでしまうのは危険です。

これでは単純に長期運用=リスク低減という認識が強くなり、なぜリスクが低減できるのか?ということが抜けているので、重要な投資判断を誤ることへも繋がります。

 

長期運用や投資がリスクを低減させるのは、単位期間あたりの標準偏差が測定期間を長く取ることで平均値になるためです。

これでは何のことか分かりませんが、簡単に説明すると、似たものの1つに大数の法則というものがあります。

大数の法則は確率論・統計学における基本定理の一つですが、回数を多く重ねることで大きく予想から外れた数値になる可能性を小さくでき、平均に数値が近くなります。つまり100回よりも1000回のほうが平均値に近くなり、1000回よりも10000回の方が本来発生する平均値により近い数値へと集束していくわけです。

 

投資において長期運用では、これに時間の概念を取り入れることでリスクを低減しているような形です。つまり、長期投資をすればリスクが低減できるというのは、投資する期間が長ければ年間の損益が標準化していくということにすぎないということです。

 

長期投資するほど損?経済事情からみるリスク

長期運用でのリスクを説明しましたが、前途したように「リスク=損をする可能性」と考えていると長期投資するほど損をする可能性は大きくなります。

例えば、新型コロナウイルスで世界的に経済不況が発生しましたが、こういった例外以外にもリーマンショックやバブル崩壊という経済的に大きな要因は発生しています。

 

10年であればそういった可能性が起こるのはないかもしれませんが、10年以上なら100%起こらないとはいえないはずです。実際にリーマンショックのような大幅な株価の暴落は100年に一度どころか10年似一度ぐらいの割合で起きています。

 

リスクの大きさは「投資額×投資する時間」で計算されるので、金額が一定であれば長く保有するほどリスクの大きさが比例していくのも当然になります。

 

そのため、長期運用をすることで損をする可能性としてのリスクは大きくなると考えることもできます。

もちろん、投資でいうリスクを正しく認識した価格の平均化であればリスクは低減できますが、多くの人が認識している「リスク=損をする可能性」という意味で捉えると、長期運用で投資すると損をしにくくなると勘違いしてしまうことになります。

 

長期投資する投資家に大切なこと

長期運用での多くの人が勘違いしているリスクについては説明しましたが、収益を出していくにあたって大切なことは運用リスクを低減する「変動を平均化して小さくすること」ではありません。

これは投資におけるリスクを低減する方法ですが、大切なのは市場全体が右肩上がりで上昇していくということです。これは利益を出していくためには当然ですが、この傾向線のことを期待リターンといいます。

 

期待リターンからみる長期運用のコツ

期待リターンは、あなたが期待しているリターンを意味した言葉ではありません。

これは過去の運用成績から判断して得られる可能性が高い利益のことを指しています。

 

例えばですが、過去の運用成績で30年間でみれば多少の変動はあれど、株式市場の期待リターンはマイナス。つまり損失になっていました。しかし、過去10年で見てみると利益になっていると状態だとします。

こういった判断をすると、運用成績のブレが小さくても期待リターンである傾向線は下落しているので意味がありません。しかし、10年で見てみると利益になるので右肩上がりしている状態ですよね。

 

つまり、長期投資はリスクを低減するのには有効ですが、利益を出すことを目的に考えた場合には期待リターンが高い市場で長期投資することが重要だと分かります。

 

ただ、過去10年で利益になっているといっても、あくまで過去の話ですので今後の価格変動は分かりません。期待リターンが高いといっても、それがどの投資先なのかを誰にも分からないはずです。

そこで必要になるのが、冒頭で話した投資における三原則といわれる「長期・積立・分散」の1つである分散投資という考え方です。

異なる市場や国、そして別の金融商品に分散して投資することで、長期投資によるメリットを享受することができます。それは、世界には成長する市場もあれば、低迷する市場もあり、長期的には世界的に人口が拡大を続ける限り、世界経済全体で成長していくためです。

 

ただ、そうすると日本は少子高齢化で成長率も先進国の中では最下になるので、日本以外の投資先への検討や比重の置き方も考えたおいた方がいいかもしれません。

 

投資の3原則は運用で効果的なのか?

リーマンショックや新型コロナウイルスなど、世界的に株式市場が下落する要因や投資先の価格が大きく変動する可能性は長期運用、分散投資をしても発生します。

 

そうなれば、意味がないのではないかと考える人もいるかもしれません。

確かにこういった例外的な要因が絡めば、一時的とはいえ大きく資産を減らしてしまう可能性は否定できません。ただ、今までにも大きく世界的に暴落する機会があったものの、世界全体でみれば長くても数ヶ月〜数年で回復しています。

 

そのため、単なる長期投資でも分散投資でもなく、両方を組み合わせることが大切です。

投資の世界では、3原則として「長期」「分散」「積立」で投資をする方法が最も良いといわれています。将来の価格変動が100%予測できないように、必ず最善の方法なのかは誰にも分かりません。

 

ただ、比較的なリスクを低減できる無難な方法として、この3つの投資方法が有効なのは事実です。

今回は長期と分散での投資方法に触れましたが、積立投資については複利で時間を武器に利益を増やすことができるので、ぜひ合わせて読んでみてください。

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