なにかと資産運用の話題を聞くことが多くなった昨今ですが、老後資金や将来に備えた資金を作っておこうというのは、新型コロナウイルス以降の日本経済ではより見られるようになった動きです。
ただ、資産運用といってもサラリーマンが片手間でできる「株式投資」や「不動産投資」から、主婦や大学生でもできる「FX」や「仮想通貨」など様々あります。そんな資産運用の投資対象も多くあるため、難しそうなイメージや運用を始める気持ちが生まれずになかなか一歩を踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。
ただ、30代〜40代の男性会社員500人を対象に行ったアンケートでは、資産運用を現在やっている人とまだやっていない人では、貯金額に年間17万円の差が発生していることが分かっています。
金融庁の報告書で老後資金が2000万円足りなくなるというのは話題を呼びました。すぐに金融庁は訂正を行い、実際にはさらに少ない額でも大丈夫だとメディアに報道されましたが、それでも老後資金には2000万円以上必要になるといわれることも多くあり、生活スタイルも様々なため安心できる人は少ないはずです。
まだ将来の話かもしれませんが、貯金を続けても金利は微々たるものですし、毎年17万円も差が生まれるのであれば資産運用を行うことが大きな意味を持ちます。今回の記事では、そんな資産運用をしている人としてない人との間に17万円もの差が生まれる状況について詳細を解説していきたいと思います。
資産運用を「現在」している人の割合
資産運用と聞くと「投資」という言葉に結びつく人も多いと思いますが、仮想通貨や株式市場を見てみると、昨今の日本では「投資」をしている人も多く感じます。ただ、それと同時に「投資は損をしそう」という消極的な人もまだ少なくありません。
ただ、アイサーチが500人を対象に調べた調査によれば、約6割が資産運用を行っていると答えています。
回答 | 回答人数 | 回答割合 |
資産運用を行っている | 305人 | 61% |
過去経験はあるが現在はしていない | 22人 | 4.4% |
行っていない | 173人 | 34.6% |
つまり、資産運用の経験がある人は半数以上はあるわけですが、意外と多くの人が「投資」を経験していることになります。これは、将来に向けた経済的な不安が「年金」や「介護」だけに限った話ではなく、一昔前はイメージできていた老後の悠々自適な生活というのが難しくなったことがあります。
ただ、資産運用をしていない人が少数はである現状であっても、資産運用の経験がない人からすれば投資を始めるのは勇気がいるはずです。資産運用へ一歩踏み出せない人の理由を聞いてみると、以下のような5つのような理由があることがわかりました。
資産運用を行えない初心者の5つの理由
順位 | 理由 | 回答数の多さ |
1位 | お金が減るのが怖いから | 384 |
2位 | 投資に回すお金がないから | 296 |
3位 | 運用する必要性を感じていないから | 151 |
4位 | 仕組みが難しそうだから | 72 |
5位 | 自分に関係ないと思っているから | 61 |
最も多いのはお金が減るリスクに対する懸念です。
これは投資初心者に多い不安ですが、ついで多いのは資金不足です。未経験者からすればリスクも高く、資金も大きく必要になるという認識を持っている人も少なくなく、損をするのではないか?という疑問もあるようです。
次は、それぞれ5つについ、実際に資産運用のない初心者の疑問は本当なのか?解説していきたいと思います。
1位「お金が減るリスクが怖い」
最も回答の理由として多かったのが「お金の減るリスクが怖い」というもの。これは投資であればどれだけリスクを軽減させても発生しますが、そもそも資産運用においていくら投資するのかという元本にも左右されます。
例えば、LINE証券などではわずか数百円という少額から投資を始めることができますし、積み立てなどでも数千円から行えるものも増えています。
お金が減るリスクが怖いのはしょうがないかもしれませんが、食わず嫌いのような状態にならないためにも、まずは少額から試してみることが重要です。
2位「投資に回すお金がないから」
投資に回すお金がないと思っている人の多くは、資産運用にはある程度まとまったお金が必要になると考えていることが少なくありません。しかし、投資には複利運用と呼ばれる方法を用いることで、少額でも時間を使って大きな額に増やすことは可能です。
いきなり10万円や5万円とは言わないまでも、毎月1万円や5000円程度の少額でも良いのでまずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
3位「投資する必要性を感じていないから」
投資する必要性を感じない人は、基本的に2つのパターンに分けれます。
1つは投資するまでもなく将来に対する経済的不安が少ないという点です。これは収入や貯蓄額が大きく関係していますが、この部分に該当する人は多くないはずです。2つ目は、投資自体をギャンブルだと判断してしまっているパターンです。
投資自体に対して否定的で、そもそも将来の資産設計の候補として考えていない場合が挙げられますが、投資は不動産や金投資、積み立てや保険など様々な方法があり、この選択肢を自ら消してしまうのは勿体ないことです。
もちろん、資産状況的に気にしなくてもいい人はいいかもしれませんが、将来必要になる資産を考えて増やしたいと言う人はぜひ投資も選択肢の1つとして考えてみましょう。
4位「仕組みが難しそうだから」
これは投資初心者にありがちな悩みの1つです。
投資と聞くと、パソコンの前に張り付いてチャート画面を見ていたり、頭が良い人がやるような印象がありますが、そうではありません。実際に投資を行っている人は、サラリーマンはもちろん主婦や大学生など様々で、安定的に利益を出している人も含めてみんな同じ状態からスタートします。
なので、まずは少しずつでも良いので経験や知識を身に着けていくという考え方が重要です。また、昨今では運用をすべて専門家に任せられる投資信託もありますので、知識や経験が不要な場合もあります。
仕組みに悩む前にまずは調べてみたり、どういった投資家向けの商品を候補に運用を考えてみましょう。
5位「自分には関係ない事柄だと思っているから」
この例に関しても収入や貯蓄額に左右される意見になります。また、年齢によって将来の不安や資産に関しては無頓着な場合も多く、周りでは気にする人が多くても自身では関係ないこととして考えている人が該当します。
ただ、長い人生を見てみれば、将来どのようなことが起こるかわかりませんし、資産は多くて困ることはありません。しかし、やはり損をする可能性を考えれば、実直に働いたお金を貯金するというのも悪くないかもしれません。
未経験者からみれば、リスクを心配する声が大きく挙がっていますが、本当に損をするのか?次は実際にどれぐらいの利益が発生しているのかを1年間の運用結果からみていきたいと思います。
1年間で資産運用した損益の結果
上記は1年間での資産運用での利益と損益の割合です。
平均すると年間で利益が約28まねんという結果で、プラスが54.1%でマイナスが25.1%となっています。中には1500万円の利益を出す猛者もいるほどですが、逆に損失を2000万円出したという人もいるので、安心はできません。
ただ、ここまでの損益は運用資金が大きいことで発生する損益ですので、一般的な額を運用している人ではあまり発生しない損益です。それでも、ここまでの損益を考慮すれば、リスクを感じるのも当然かもしれません。
しかし、安全性に注意していれば、過度にリスクを恐れる必要はなく、増えている人の割合が方が多いことがわかります。では、実際にいくら程度の運用資金で投資を始めるべきなのか?
運用者に多かった「株式投資」と「投資信託」「定期預金」の3つに絞って初期投資額を次は紹介したいと思います。
資産運用を始めた運用資金
運用資金は当人の収入状態や貯蓄状況によって異なりますが、経験や将来必要になる不足資金によっても大きく変化します。ただ、「株式投資」「投資信託」「定期預金」の3つでは、割合として傾向も大きく異なっていることが以下のデータからわかります。
【株式投資】
株式投資では、未経験者の人でもある程度の資金を元に運用を始める人が多くなっています。レバレッジが効かせられるのもそうですが、なにより少なくない資金が必要だという認識が広がっていることもあり、株式投資では最低でも10万円以上から運用する人の割合が高い結果となっています。
【投資信託】
投資信託では、逆に3万円未満と100万円以上と極端に分かれている形になっています。それでも、100万円以上が43%と非常に高く、運用を自身でする必要がないこともあり大きな額を運用する人の割合が高くなっています。
ただ、投資信託は金融庁の調査で損をする結果が多いことも分かっているので、注意が必要です。また、銀行などが貯金額から営業をしていることもあり、手数料などから損失になることも少なくないので騙されないようにしておきましょう。
【定期預金】
定期預金に関しても100万円以上が43%と高い水準になっています。定期預金に関しては比較的金銭に余裕がある人が多い印象がいなめませんが、まずは少しずつ着実に資産を伸ばすのもいいかもしれません。
ただ、実際に投資を始めている経験者と未経験者では、収入にも差があるからこそ踏み出さない可能性もあります。それでは、年収と資産額、毎年の貯蓄額を見てみると、どのように経験の有無が異なるのか?最後はその点も見ていきたいと思います。
実践者と未経験者との差
年収に関しては、現在運用している人と未経験者では105万円の開きがあり、年収が高い人ほど資産運用をしている傾向があります。また、資産額も見てみると830万円と差が大きいことも分かります。
さらに毎年の貯蓄額では毎年約17万円の差が発生しています。これは、純粋に給与水準の差といえなくもありませんが、毎年の運用分が資産額に直結していると考えることもできます。
将来の不安は誰でも抱くものですが、その大きな要因の1つは資産です
年収は年齢や職種によっても異なりますが、新型コロナウイルス以降不景気や社会のあり方も変化していますので、備えておく人は昨今急増しています。そのため、投資に対する不安やリスクもしっかりと認識しつつ、あなたの資産状況にあった正しい運用で自分なりの資産運用を検討してみは如何でしょうか。
当サイトでは、資産運用を含めて投資経験のない未経験者でも分かりやすく知識を学べるようにお伝えしています。ぜひ一度自らの資産状況を把握して、将来困らない資産設計をいけるようにしてみましょう。
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