資産運用を検討している人で投資信託は非常に人気な投資です。
運用を専門家に任せることができるという点は、何かと忙しい会社員の人からすれば売買する手間や保有している銘柄の状況を把握して分析する必要がないので、本当に今すぐ始められるといっても過言ではありません。
しかし、投資信託で購入できる商品は多く、投資信託協会によると5,805本(2020年9月末時点)もの株式投信が存在しているため、いくら運用を任せられると行っても購入する商品を決めるのも簡単ではありません。
ましてや、大切なお金を投資するのですから、できるだけリスクを抑えながら利益を出せる商品に投資したいと考えると思います。
そんな悩みを抱きやすい投資信託は、「どれを選べば良いのか迷う」というのがある意味で一番の課題といえるかもしれません。
今回の記事では、そんな投資信託を検討している初心者投資家に向けて、3つある投資信託の種類と選び方について解説していきたいと思います。
運用方法の違う投資信託の3つの種類
投資経験のない初心者からすれば、投資信託にも種類があることを知らない人も多いと思います。しかし、投資信託には選定する銘柄や運用方法によって3つの種類に分けて考えられています。
- アクティブ型
- インデックス型
- バランス型
約6,000本の株式投信があることを考えれば、いきなり膨大な株式投信の中から購入を考えたり、投資信託のランキング情報や比較サイトを参考にするのでは少なくない時間がかかります。
そのため、まずは投資信託の3つの種類から特徴や運用方法の違いを理解し、候補数自体を減らすことで選びやすくすることが投資初心者にはオススメです。
それでは次に運用方法の異なる3つの投資信託について解説したいと思います。
「アクティブ型」の投資信託
アクティブ型の投資信託は、ファンドマネージャーと呼ばれる運用を専門に行う人間が投資判断をします。
運用会社が株価指数などの指標以上の成果を目指すために、市場調査や分析を行って銘柄を積極的に運用していくという特徴があります。
利益を上手く出すことができれば市場平均を大きく超えるハイリターンを期待することができる反面で、運用会社が支払うコストである信託報酬が高く設定されることが比較的多いため、投資にかかる手数料が多くなる傾向があるので注意が必要です。
株式市場ではその企業の価値が適切に評価されておらず、時間が経つことで市場評価の見直しが見込める企業も存在します。
その評価が調査や分析によって改められ、積極的に銘柄の買付などを行うため大きな利益を出せるというわけです。ただ、同時に損失も大きくなるので、損失とコストの2つを考えるとアクティブ型の投資信託は選定に慣れた上級者向きの種類といえるかもしれません。
「インデックス型」の投資信託
インデックス型の投資信託は、アクティブ型に比べるとコストが低く効率的に市場平均のリターンが取れるという分かりやすい特徴があります。
日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数と連動する運用を目指す運用方法になるので、簡単にいえば日本の景気次第で利益になる投資信託ともいえます。そのため、有名な銘柄の指数と連動することが多く、投資に関する情報を入手しやすいメリットがあります。
こちらはアクティブ型と違って銘柄の調査や分析といった手間がかかっていないため、コストが安く運用管理費用も低く抑えることが可能ですが、アクティブ型と比べるとリターンは低くなる可能性はあります。
ただ、投資初心者でも無駄な手数料を抑えることができるので、手数料負けの心配が少なくなっています。
「バランス型」の投資信託
バランス型の投資信託は、株式・債権・不動産投資信託といった世界中の投資信託に分散するといった特徴があります。
1つの銘柄に集中して投資するのに比べ、色々な銘柄に分散投資したほうが投資によるリスクを軽減でき、大きいリターンは期待できないものの、リスクを抑えて安定した運用を実現することが出来るようになっています。
投資経験のない初心者にオススメの投資信託
投資信託の種類を3つ解説しましたが、「アクティブ型」の投資信託はハイリターンを狙える魅力と引き換えに値上がりや配当を重視しているため、銘柄の選定や入れ替えを積極的に行う分のコストが高くなっています。
「アクティブ型」は市場変化の影響を受けやすいのですが、損失が発生しても手数料が安くなるわけではなく、損失が予想以上に大きくなるハイリスクというデメリットを考えると、資産割合を多く「アクティブ型」の投資信託に占めるのは得策ではありません。
投資にはどれだけ慎重に選んでリスクは必ず発生しますが、それでも出来る限りリスクを抑えて運用することが大切です。
そのため、投資経験の浅いうちは安定性を重視した「インデックス型」か「バランス型」を最適だといえます。
ある程度資金に余裕が生まれた場合には「アクティブ型」に挑戦するのも悪くありませんが、最初のうちは「インデックス型」か「バランス型」の投資信託から選ぶようにしましょう。
初心者は「NISA」や「つみたてNISA」も活用するのがオススメ
資産運用において、初心者投資家でも利益を出しやすくなるNISAとつみたてNISAと呼ばれる制度があります。これは利益に対して支払う税金を抑えることができるので、ぜひ活用したい制度です。
投資信託でも分配金や売却益に対して20.315%の税金が発生するため、利益が大きくなるほど税金の負担も大きくなります。しかし、「NISA」を利用することで分配益や売約益でも最大で120万円までは税金が不要になります。
投資信託で発生した利益を丸々得ることができるため、NISAはぜひ活用しましょう。
ただ、その一方で「つみたてNISA」は年間で40万円まで、最大20年間の非課税投資枠が適応されているため、積立型の投資信託で少しずつ利益を目指す人にはオススメです。
投資信託も少額から始められるようになっているので、「いきなり大きなお金で運用するのは不安」という人は、まずは少額でも良いので少しずつ毎月投資信託に投資しながら、「NISA」や「つみたてNISA」といった税優遇の制度を使いながら始めましょう。
投資信託購入前の注意点
投資信託では、多くの投資家から資金を集めて専門家が投資を行う金融商品です。
個人が株式投資を始めようとすれば、初心者からするとリスクが大きい資金量が必要になりますが、投資信託の場合はには複数の投資家から集めたお金を運用するので、投資家1人当たりの不安を抑えながら5000円程度の少額から始めることができるのが特徴です。
しかし、投資信託は販売している証券会社や金融機関によって特徴が異なる場合もあるため注意する必要があります。
それは手数料が非常に高いことが挙げられます。
過去に「投資信託ほどリスクが高い商品はない?投資信託で失敗する2つの理由」でも解説しましたが、投資信託には3つの手数料がかかります。
- 購入時手数料(購入時)
- 信託報酬(運用期間中)
- 信託財産留保額(売却時)
これらの手数料は販売会社の主な利益になるので、営業の人間や窓口では手数料が高い投資信託を勧め、実際に利益が発生しても手数料が高くて損失になってしまうことも少なくありません。
インターネットを通して購入することで手数料を安くすることもできますが、購入後に手数料の高さで損をしないためにも、初心者のうちから手数料には着目して購入を検討するようにしましょう。
参考記事:「投資信託初心者が購入を迷ったら見るべき5つのファンドランキング情報」
参考記事:「運用未経験の素人が投資信託で失敗しない商品を選ぶ方法」
運用を任せられるからこそ購入前は慎重に
投資信託は専門家に運用を任せられるということで、非常に投資初心者に人気の金融商品です。しかし、手数料の高さや投資信託の種類によっては損をしやすいという特徴もあるため、全ての運用を任せれるからといって雑に銘柄の選択をしないようにしましょう。
全て任せられるからこそ、購入前にどの投資信託を購入するかは慎重に考えて選択するようにしてください。
投資信託を窓口や営業の人間に相談すると、人気な商品を勧められたり、手数料が高いものを勧められることが多くなっていますが、それは決して利益が発生しやすい銘柄ではありません。
今回紹介した投資信託の種類から、あなたに適したものを選び、そのうえで投資資金に見合った運用に任せるべきです。
「NISA」や「つみたてNISA」に対応した投資信託に投資することで利益は残りやすくなりますが、投資信託自体が長期運用を前提としている投資商品なので、気軽に始められるからと言って全てを言われるがまま購入することだけは一番やってはいけない事です。
購入後は運用や管理を任せられるので、購入前にどの投資信託にするかはじっかりと吟味してゆとりを持った気持ちで利益を求められるようにしておきましょう。
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