ライフイベントには多くのお金が必要になることが多くなりますが、その中でも長期におよぶ生活で支出に関係してくるのが結婚後の生活です。
今まで独り暮らしだった人からすれば、配偶者と暮らしていくわけですから、価値観や支払いにおいて些細なきっかけで喧嘩に発展してしまうことも少なくありません。また、お金について食い違いがあれば意見が別れることにもなりませんので、積もりに積もって熟年離婚ともなれば精神的にも経済的にも負担は変化するでしょう。
そんな共同生活で支障が発生してしまわないためにも、夫婦円満のためにお金のルールを決めて考えていくことは意外と大切です。
今回の記事では、結婚後の夫婦におけるお金の問題で、価値観の違いなどで喧嘩してしまわないための5つのルールについて紹介していきたいと思います。このルールを共通認識として覚えておくだけでも、夫婦間でのトラブルを回避することになりますので、ぜひ参考にしてみましょう。
意外と多いお金によって発生する夫婦の問題
お金に関しての価値観は、生まれ育った環境や家庭によって大きく左右されます。また、お金を貯めることが好きな人からすれば出来るだけ消費を避けるでしょうから、「ケチ」といわれることもあるかもしれません。
ただ、夫婦は恋人である期間があったとはいえ、違い環境で育った他人です。ただでさ男女で価値観は違うのですから、一緒に暮らし始めると相手のお金に使い方に不満が1つや2つ発生しても不思議ではありません。
スパークス・アセット・マネジメント株式会社が20歳以上の既婚の男女1000名を対象に行った「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査 2020」によれば、年間で1回はお金が原因の夫婦喧嘩をしているという夫婦は33.1%と3割と分かっています。つまり、10組に3組はお金によって喧嘩が発生しているわけです。これが5年や10年となればさらに割合は増えるでしょうし、積もり積もったお金による不満がどこかで爆発してしまう可能性もあります。
さらに加えるのなら、お金が原因でケンカしている夫婦の48.0%、約5割がお金のことが原因で離婚の危機を迎えたことがあると回答しています。夫婦にとってお金の問題は軽視できないことが分かりますが、夫婦生活が長くなればなるほどお金による重要になっていくことが分かるはずです。
夫婦間で多いお金についての決まりごと
お金によるトラブルを作らないためにも事前にお金のルールを夫婦で設けることは大切ですが、結婚後はどのようなルールを他の家庭では決めているのでしょうか。
次は一般的に家庭で設けていることが多いお金の決まりごとについても紹介していきたいと思います。
夫婦間でお金による決まりごとを決めている家庭は多くあると思いますが、上記の画像を見て分かる通り最も多いのは「勝手に高額な買い物をしない」「おこずかいの使いみちに口を出さない」「毎月一定額は貯蓄に回る」「お金のことで不満があったら伝える」という4つです。
もちろん他にも細かい点はありますが、使いみちや生活に支障が発生する可能性がある大きな買い物を独断でやってしまうのは、家計運営を一緒に行っていく結婚後にはトラブルの原因になるようです。
このアンケート結果を参考にしながら、次からは夫婦間でやっていはいけないお金のルールに関して明確にしていきたいと思います。
夫婦がお金のトラブルに発展しないためのルール
お金において重要なのは、何に使うのかということよりも何に使ってはいけないのかということです。これを決めて守ることで、当然ですがトラブルになりづらく夫婦間で共通認識としてお金の管理をできるため、トラブルを避けることに繋がります。
そして、そういった細かいトラブルが積み重ならない環境であれば、夫婦仲が険悪になる心配もかなり軽減できるでしょう。次は、そのお金のおけるルールでやってはいけないルールを5つ解説していきますので、この5つを理解してやらないように気をつけるようにしましょう。
ルールその1「相談せずに高額なモノを購入する」
夫婦間では、一緒に家計運営を行っていくため基本的に資産は1本化します。今までは自分だけの資産で自由に使えたお金も、結婚後には配偶者や子供のためにも使うことを意識しておかなくてはいけません。
そのため、相手に相談なく高額な買い物をすることは避けるようにしましょう。アンケート結果でも買ってに高額な買い物をしないというルールが最も多くなっていますので、独り身出会った時と同じ感覚でいるのは要注意です。
特に車や家といった高額であり、継続的に支払う必要がある買い物を自身のみの判断で決めてしまえば、「少しでも安くして貯金すればいいのに」という不満が発生してしまうこともあります。また、家電などの生活で使うことは利便性も重要になってきますので、相手の意見を聞かずに買ってに購入しては長期間不満が溜まることになります。
結婚後の夫婦生活では、生活費を負担しつつも協力して資産を築く関係でもありますので、いくら自身で稼いだお金だからといっても全てを自分で決めてしまわないように認識しておきましょう。
ルールその2「お金の不満を溜め込む」
お金の話は、日本においてはある種のタブーのように会話することを避ける傾向があります。ただ、夫婦間でこの話題を避けるのはNGです。
中には「お金の話」をすると喧嘩になると考える人もいます。日本全体の不景気で年収が下がることが多い昨今ですが、お金の話をすれば不機嫌になったりしてしまうという人も多いため、不満があっても伝えることができるずにストレスを抱えるという人も少なくないはずです。
ただ、お金の不満を溜め込む結果になれば、夫婦関係は余計に悪くなります。
アンケート結果によると、約2割の夫婦がお金の不満を伝えることをルールに設けています。逆にいえば、残りの8割はお金の不満が合っても溜め込んでしまっているということ。
しかし、お金の問題については定期的に話し合いの時間を作るのは重要です。少なくとも月に1回やなど定期的に毎月の収支を話し合ったり、具体的な将来のマネープランについて考える場を作ってみることがオススメです。
お金の話を避けるのも理解できますが、生きている限り必ずお金は必要になります。その話題を避けてばかりいては、いざという時に協力するべき夫婦で意思疎通が出来ない事態にもなりえます。お金への価値観は違うからこそ、話し合ってすり合わせるようにしましょう。
ルールその3「お金の使いみちに口出しする」
最近では共働きも珍しくありませんが、共働きの場合にはお互いにお小遣いの金額を決めていることが多くなっています。しかし、お金の使いみちにまで「勿体ない」と「無駄遣い」と口出しすることが多くなれば、相手に対して良い感情を抱かないのは当然です。
だからこそ、相手の使いみちに干渉するようなことはやめておきましょう。お小遣いの範囲内で趣味や食事をしているのに、相手に文句を言われれば不満が溜まりますし、喧嘩の原因や機嫌を損ねるということも多くなるはずです。
そうではなく、夫婦でお互いにお金の面で協力することで将来のライフプラン設計にも大きく役立ちます。夫婦で資産が1本化するといっても、相手のお金の使い方を全てコントロールしてもいいわけではありませんので注意しておきましょう。
細かすぎると窮屈に感じますし、積み重なって大きな亀裂にも繋がります。ただ、毎月のお小遣いの範囲でも大きな買い物や共同で使い家電などは相談して決めるようにしましょう。
ルールその4「貯金を相手任せにする」
夫婦に慣れば資本が1本化しますが、貯金のことを考えずに散財したり相手任せにしてしまっては、家計管理における苦労や不満を相手が一方的に抱えてしまう場合があります。そのため、将来を見越したライフプランのためには、貯蓄も一緒に協力して考えていくことが重要です。
貯金をお互いに管理せずに相手任せにしてしまうと、全く貯金ができないばかりか、いざお金が必要になった際には困ることになります。また、1人がしっかりと貯金していてももう一方が貯金できないといったことは意外と起こりがちです。
住宅購入や教育資金、老後資金など将来必要になるお金を夫婦でお互いに貯めるためにも、計画的な家計運営を行えるようにしっかりとお互いが貯金する額を決めておきましょう。
アンケート調査でも、毎月一定額を貯金に回すことをルールにしている世帯が約2割あります。生活費を公平に分担して貯蓄していくことは、共働きが多くなった昨今ではお互いの収入を把握することもできるので話し合っておきましょう。
ルールその5「勝手にお金の貸し借りをする」
夫婦というのは、長くて何十年も一緒に生活をしていきます。そのため、どちらかが大きな借金やお金によるトラブルを起こしてしまえば、夫婦仲が険悪になってしまうことも多くあります。
そのため、いくら友人や親族といった親しい間柄であったとして、相手に黙って借金をすることはやめるようにしましょう。また、お小遣いが足りなくなった際にはカードローンで借りてしまう人もいるはずです。
最初はすぐに返せると高をくくっていても、結局追加で借りてしまって借金が膨らんでしまうことにもなりかねません。ギャンブルでお金が足りなくなるのは駄目ですが、年齢を重ねていけば結婚祝いやご祝儀などが必要になる機会も多くなりますので、素直に相談するようにしましょう。
もしも借金が返せなくなってしまっては、家計から出すことになりますので相手だけではなく子供の教育にも影響を与えることも最悪考えらます。相手も「お金に困っているのであれば相談してほしかった」と思うはずですので、問題が深刻化してから告白することは絶対にやめておきましょう。
こうなってしまえば信頼関係が大きく崩れます。
アンケート結果でもあるように「毎月お小遣い以上は使わない」というルールを原則として意識しておきましょう。また、借りるだけではなく貸すのも大きなトラブルに発展することが多くなっていますので、気をつけておきましょう。
生活に必要なお金のことを夫婦で必ず考える
結婚後の夫婦生活では、一緒にお金の管理をしていくことになります。
そのため、お金のことを一緒に考えておかなければ相手に不満や責任を一方的に押し付ける形になってしまいます。将来の大きな悩みとして「お金」は上位にランクインすることが多くなっていますが、それはお金が必ず必要であり、定年後は収入が減ってしまうからです。
将来心配されることが多いお金の問題は一緒に管理して考えるようにしましょう。もしも使い方やルールを決めずに貯金出来ない状態では、困ることになりますし、不信感をお互いに持つことにも繋がります。
夫婦の関係にヒビを入れないためにも、結婚後の夫婦生活ではお金の透明性を確保するように努めましょう。
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