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雇用関連の経済指標「雇用4セット」を知って雇用統計を分析しよう

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雇用関連の経済指標「雇用4セット」を知って雇用統計を分析しよう

FXで雇用統計は、経済指標のなかでは最も注目されている指標の1つです。

プロの投資家はもちろん、世界中の投資家達が買いや売りといった売買を行いますので、短期的に大きく為替レートが動きます。

また、国の雇用状況というのは経済状況や景気を表しているものでもありますので、今後の相場状況が一変し、新しいトレンドが生まれるため中長期という期間で考えても無視できない指標です。

 

そんなFXをやるトレーダーにとっては無視できない雇用統計になりますが、雇用統計後に発表される数値を予測する分析方法を知っている投資家は非常に少ないのが現状です。

 

ほとんどの投資家が、雇用統計が発表されたら「高値を更新したら…」「このチャートパターンが出たら買い」といった雇用統計後の激しい値動きをテクニカル分析で予測し、売買する。

このような経済指標をテクニカルで対応して利益を上げるというのは、決して間違いではありませんが、それでも発表後の値動きについていく、いわゆる後だしのような形で発表されるまで「待って」いるんです。

 

ただ、雇用統計は経済指標の1つですので、本来であればファンダメンタルズ分析のような経済要因を見極めて値動きの方向を予測することが正しい予測方法になります。

しかし残念なことに、巷では発表後の値動きに対応するといった取引で、経済指標を詳しく知らない投資家が多く、ファンダメンタルズ分析ができない投資家が増えています。

 

今回は、そんな発表後の激しい値動きに飛びついて取引するのではなく、予め雇用統計を分析して値動きを予測できるように、雇用統計を分析するうえで知っておくべき雇用関連の4つの先行指標を説明していきたいと思います。

 

先行指標とは?

先行指標とは景気動向を示す経済指標のなかで、将来の経済を予測する景気や企業の業績を見通せる指標のことです。将来の景気がどのようになるのかを予測する材料として投資家に活用されています。

 

雇用統計の「雇用」に関する4つの先行指標

雇用統計

先行指標とは、将来の景気動向を示す経済指標の中でも将来の景気などを見通せる指標のことを指しています。

この先行指標とは別に、「遅行指標」と呼ばれる過去の経済・景気状況を把握する遅行指標がありますが、今回の場合は雇用統計を予測するためにファンダメンタルズ分析を行うので、先行指標を中心として雇用に関する指標を確認していく必要です。

 

そもそも、アメリカの指標の中で最も注目されている「雇用統計」は、「非雇用者数」の変化によって経済状況がひと目で把握できるため投資家から注目されています。

すぐに判断できるのは詳しいデータを集計しているからであり、全体的な評価(数値)で表しているからですが、ひと目で把握できるという素晴らしいポイントは、逆にいえばその全体評価に至るまでの数値を総合してまとめているため内容(内訳)は雇用統計では詳しく知ることができません。

そして、ファンダメンタルズ分析ではその全体的な評価に至るまでに過程にもあたる数値や状況を把握しなければいけません。

 

雇用統計にまともに影響してくるのが「ISM製造業景況指数」と「ISM非製造業景況指数」という2つになります。この2つの数字が良ければ、雇用統計の結果もいいだろうと予測できます。

もちろん、この2つだけではなく、「ADP雇用統計」と「新規失業保険申請件数」と呼ばれる2つも雇用統計を予測するうえでは重要なファンダメンタルズの分析要素になります。

 

それでは、この4つの雇用関連の先行指標についてまずは基本を理解していきましょう。

 

雇用関連先行指標①【ISM製造業景況指数】

ISM製造業景況指数引用元:Yahooファイナンス

ISM製造業景況感指数(旧NAPM指数)は、全米供給管理が算出する製造業の景況感を示す指数の1つです。

毎月発表される米国の主要指標のなかで最も早い毎月第1営業日に発表されます。ISM非製造業景況感指数とともに、米国の景気を予測する先行指標として投資家に注目されている指標です。

 

ISM製造業景況指数はの集計は、全米供給管理協会が「製造業」400人以上の購買と供給管理責任者を対象にアンケートをとって集計して公表していますが、その集計内容は各企業の「受注」や「生産」「価格」などの10項目についてアンケート調査をしており、「良い」「同じ」「悪い」の三者一択の回答結果でアンケートを取っています。

ISM製造業景況指数

季節調整を加えた「受注」「生産」「入荷遅延」「在庫」「雇用」の5つの指数をもとに、ISM製造業景況感の総合指数を算出して発表され、50%を上回ると景気拡大、逆に50%を下回ると景気衰退と判断することができます。

 

雇用関連先行指標②【ISM非製造業景況指数】

ISM非製造業景況指数引用元:Yahooファイナンス

こちらもISM製造業景況指数と同じように、ISM(全米供給管理協会)が発表しているデータですが、「非製造業(サービス業)」の景気感を示す指標になっています。

 

約370社の購買担当者責任者にアンケートを行い集計。こちらもISM製造業景況指数と同じように50%を景気感の拡大と後退の分岐点として考えられています。

ISM非製造業景況指数

製造用指数とは違い歴史が浅い背景がありますが、近年注目度が増して軽視できない景気先行指標となっています。

50%が景気良し悪しの境界線

ISM非製造業景況指数は50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点になります。

50%を上回ると景気拡大、逆に下回ると景気後退と判断され、企業の景況感をパーセンテージで現すのでパッと見で判断しやすく、分かりやすい指標になります。

雇用関連先行指標③【ADP雇用統計】

ADP雇用統計引用元:Yahooファイナンス

ADP雇用統計とは、2006年の5月からアメリカで開始された比較的新しい経済指標です。

アメリカの給与計算代行サービス大手であるアウトソーシング会社の、ADP社(オートマティック・データ・プロセッシング)のデータを利用して全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計になります。

 

ADP雇用統計は、4000万人(50万社)の給与データをもとに算出しており、雇用統計の非農業部門雇用者数の先行指標とも言われていますが、相関関係はそれほど高いものではありません。

しかし、米雇用統計が発表される2営業前に発表され、米雇用統計の結果がマーケットの与える影響も多いので、その予測ができる統計として投資家には注目されている先行指標になります。

ADP雇用統計のデータ

毎月雇用者数の動向を調査したものになりますが、ADPの結果と米雇用統計の結果が常に同じように結びつくわけではないので、結果を信用しすぎるのも注意しておきましょう、

雇用統計がズレが注目度は高い

雇用統計と同様、企業の給与支払いデータをもとに算出されています。

サンプルの問題がなければ雇用統計の非農業部門雇用者数と整合的な数字となるはずですが、なぜかズレます…。

雇用関連先行指標④【新規失業保険申請件数】

新規失業保険申請件数引用元:TRADING ECONOMICS

新規失業保険申請件数は、その言葉の通り米国内における新規の失業保険の給与申請件数を集計した経済指標になります。

申請件数が潜在水準(40万人)より低くなると、景気が過熱していると判断され、逆に潜在水準より高くなると景気後退の兆候と考えられます。毎週発表され、速効性のある指標として注目度は高くなっています。

 

失業者が増えると、当たり前ですが失業保険給与申請が増加するため、米国の雇用情勢悪化を見抜くことができるようになります。週単位の申請件数は、色々な要因で変動するため、4週間移動平均線が傾向を見極める意味で重宝されています。

ただ、「受給総合」「受給数比較」はあまり注目されていません。

週単位の発表でタイムリーな雇用情勢を把握できるので、雇用統計の予測を週単位で修正しながら予測が可能になるので、そういった点では雇用統計を分析する良い先行指標の1つと言えます。

 

週単位で発表されるため、連休やハリケーンなどによる災害で大きく結果が異なってくる場合もあるので注意しましょう。短期的な米ドルの取引には為替変動への影響がしやすい指標とも考えることができます。

申請件数が40万人を超えるかが分岐点

新規失業保険申請件数は、申請件数が40万人を超えるかが雇用環境悪化の分岐点だとされています。

40万人を超えると雇用状況かなり悪いと判断することができますので、景気のピークとボトムに対して2~3ヶ月先行性があります。

 

雇用統計の完全に連動しないが有力な材料

雇用統計

これら4つの指標の中で、最も注目度が高いのは「ISM製造業景況指数」になります。1931年から続いている経済指標で、雇用統計との相関が高いとされているからです。

 

これに対して「ISM非製造業景況指数」は歴史も浅く、季節調整も行われないので指数としての精度が少し落ちてしまいます。

主要な米国の経済指標の中では、毎月最も早く発表(1日・3日)されます。しかし、雇用統計が1日に発表される場合には雇用統計の予測材料としては使うことができない指標です。

この発表された数字が良いと、ほとんど雇用統計も良い結果になります。

 

ADP雇用統計については、現状としては雇用統計と相関性がそれほど高いとはいえませんが、近年ではADP雇用統計も徐々に注目度が増している先行指標になりますので、発表前後で相場を動かす場面み見られるようになりました。

なので、この4つは雇用統計を予測するうえで、完全に連動するわけではないものの、予測するためには有力な材料になるので欠かさずにチェックするようにしましょう。

1つ1つが雇用統計を予測するヒントになる

FOMCや金融政策の説明でも触れたように、FRBの二大使命は「雇用の最大化」と「インフレの抑制」です。

FRBは雇用動向とインフレの動向を常に気にして見ていますが、FRBのみならず世界中の投資家注目している雇用統計が、なぜここまでの注目を集めているのかといえば、日本では終身雇用制度が残っているため雇用者数はそれほど動きません。

 

しかし、アメリカの場合には景気が悪化し、企業業績が悪くなるとレイオフ(一時的に雇用者を解雇すること)が実施されるため、雇用者数が景気に敏感に反応からです。

 

そして、今回説明した「ISM製造業景況指数」「ISM非製造業景況指数」「ADP雇用者数」「新規失業保険申請件数」の4つの指標は、アメリカの雇用状況を把握するための先行指標であり、この4つさえ抑えておけば、アナリストが出している予測値を見るまでもなく自身で予測することができるようになります。

 

それぞれの指標の中身や特徴を知り、4つの先行指標で雇用統計を予測することで、FXのトレードに役立てられるようになりましょう。

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