外貨預金とは? メリット・デメリットで分かる賢い貯め方の仕組み

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外貨預金とは? メリット・デメリットで分かる賢い貯め方の仕組み

ゼロ金利政策が続く昨今、貯金してもお金が増えることはありません。

ただ、貯金や貯蓄を日本の円貨だけで行うのではなく、外貨建てで運用することで高い利回り実現している人が多くいることをご存知でしょうか。

 

外貨建ての金融商品は「外国株式」「外国債券」「外国投資信託」「外貨建ての保険」「外貨預金」と数多くあるせいか、資経験のない人からすれば始めるのを躊躇いがちです。

しかし、そんな外貨建ての金融商品で、知識や経験が浅い初心者の方でも始めやすいと言われているのが「外貨預金」です。

 

日々の生活だけではなく、人生に何かとお金が必要になるイベントは多く控えています。さらに老後も意識してお金を増やすとなれば、ただ貯金をしているだけでは心もとないのが本心のはず。しかし、「預金」という資産形成の方法を海外に視野を広げることで、円よりも効率的にお金を増やすことができます。

 

今回の記事では、初心者でも始めやすい「外貨預金」についての基本を解説しつつ、メリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

 

外貨預金とは?銀行預金との違いと仕組み

外貨預金とは?

外貨預金とは、一般に外貨建ての預金のこと言います。

例えば、本来日本円で銀行に預金するお金を、アメリカの米ドルや欧米のユーロなどに外貨両替して貯金しておくことで、金利の低い日本ではなく、その預金した通貨の金利を得ることができるため、円で銀行預金するよりも遥かに多くの利息を得ることができます。

米ドルの金利が仮に1.2%だと仮定すると、金利が付く米ドルの外貨定期預金(満期10年)なら、100万円を預けることで10年後に12万円(税引前)増えている計算になるというわけです。

多くある外貨建ての金融商品の中でも、外貨預金は商品の仕組みが分かりやすく、取り扱う金融機関が身近な銀行なため、投資としてのハードルがかなり低くなっています。

外貨預金は、いわば投資のなかでも日常生活で行う貯金の延長線上の資産運用といえるかもしれません。

そう考えると、投資が怖い初心者の人でも安心して始めることができます。

資産運用をしなければ、貯金しないかぎりお金は増えません。ただ、外貨預金のように分かりやすくて少し違った預金という特徴は、大きなメリットの1つになります。

 

基本的な仕組みは円預金とほぼ同じで、貯金する金額分を外貨で預金するだけなので初心者向きの資産運用の1つになっています。

 

外貨預金で生まれるメリット

外貨預金のメリット

外貨預金は、外貨で預金するだけという方法ながら多くのメリットがあります。

日本で銀行にお金を預けているだけでは利息はほぼつきませんが、資産運用として見ても役不足なため、どちらかというとタンス預金の代わりに「どこでも出金できる」「セキュリティ」といった側面的な要素を求める人が多いはずです。

 

しかし、外貨預金であれば単純な貯金でも、長く銀行に預金しているだけで大きな差が発生します。

次は外貨預金に関するメリットをお伝えしていきますので、銀行預金をしているけど外貨預金はしていないという人は、ぜひ検討してみましょう。

 

外貨預金のメリット①「円よりも高金利」

お金を預けた後に、予め定められた金利の利息が発生して満期にそれを受け取ることができるのは、外貨預金でも円預金でも同じになっています。

 

大きな違いがあるとすれば、それは金利です。

日本では超低金利の円預金ですが、外貨預金に関して言えばその通貨の発行国によっては高金利なため、円預金と比べると非常に大きな利益を金利によって見込むことができます。

 

外貨預金にお金を預けるためには円を米ドルなどの外貨に交換する必要がありますが、自信で両替するのではなく、外貨預金に申し込むことで希望額がその時点での為替価格で外貨に換算されて預けられる仕組みになっています。

 

外貨預金のメリット②「為替差額で利益が発生する」

外貨預金の特徴として、保有している円を外貨を購入する形になります。

これは外貨から日本円にする両替する際には売約する形になるため、為替差額による利益を得ることができます。預け入れたときに比べて払い戻しの際の為替レートが円安であれば、円で受け取れる金額を大きくなるため、金利も含めて大きく利益を出すことが可能です。

 

ただ、逆に為替差額によっては損することも可能性もあるので注意する必要があります。

金利を考慮に考えると利益の方が多くなるケースが多いですが、急激な為替変動や両替するタイミングによってはリスクがあるのも事実です。

 

外貨預金のメリット③「保有資産のリスクを分散できる」

日本人は貯金が大好きな国民性です。

日米欧の個人金融資産に占める現金・預貯金の割は、日銀の資金循環の日米欧比較では日本が約54%に対し、米国は約13%でユーロ圏が約34%。

特に銀行預金することが当たり前で、お金を増やす方法といえば働いたお金から貯金するという資産形成が日本では常識となっています。

 

しかし、ここまでの内容でお伝えしたように、為替レートは日々変動しています。あなたの資産が日本円だけであれば、将来大きく円安になった場合には外国のものを購入する際に多くを支払う必要があります。

 

日本円の預金だけでは自分の資産を日本だけに投資しているようなもので、リスクが偏る結果にもないかねません。

日本は少子高齢化ということもあり、経済状況だけではなく人口的な要素を考慮してもあまり投資先としては注目されることが少ないため、将来を見据えて外貨預金をするというのは、長い年月を銀行預金だけにしておくだけよりも通貨を分散させることになるので、日本だけではなく他の国にもリスクを分散することができます。

 

外貨預金のメリット④「外貨預金口座のカードで現地通貨を引き出し、カード決算可能」

銀行によっては外貨預金と連動したカードを受け取ることができます。

外貨預金に連動しているため、外貨普通預金口座の残高からその通貨建てのまま旅行先でカード決算が行なえ、さらに海外のATMや現地通貨での引き出しも可能になっています。

 

例えば、海外旅行に行く際に円安であっても、円高の時期に外貨預金をしていくことで円安になっている為替レートで円を外貨に換える必要がないため、円高時の預け入れした外貨をそのままに使用することが可能です。

 

旅行時に為替レートを予測して都合よく得をすることはできませんが、このように為替レートの変動による出費を抑えることができ、両替の必要もなくなるので精神的なゆとりが生まれるはずです。外貨預金に連動しているカードには、その場でお金が引き落とされる「デビットカード」や「プリペイドカード」があります。

カードを発行している会社ごとに特徴やサービスが異なるので、利用目的に合えば発行しておくことをお勧めします。

 

外貨預金することで発生するデメリット

外貨預金のデメリット

外貨預金で上手く貯金を増やすことができたとしても、外貨預金特有の制度や仕組みからくるデメリットを理解しておかないと、利益を大きく減らしてしまうことにもなります。

次は初心者が見落としてがちな外貨預金のデメリットについて解説していくので、運用時の参考にしておきましょう。

 

外貨預金のデメリット①「為替変動によって元本割れの可能性がある」

日本円を国内でのみで使うのなら意識することは少ないはずですが、お金の価値は常に変動しています。そのため、為替レートを把握せずに預金時よりも円高にときに引き出してしまえば、円ベースで元本割れが発生してしまう可能性も考えられます。

 

この為替変動のリスクは、海外投資を行ううえでは必ず付き纏うリスクになり、初心者がよく陥ってしまいがちな「よくあるミス」の1つです。

 

FXをしている投資家であればご存知かもしれませんが、為替は常に変動しています。なので、取り扱い時間によって適応される為替レートも異なるということを意識して、出金時には必ず為替レートの確認を行うようにしましょう。

外貨預金のデメリット②「手数料が高い」

外貨普通預金では、「日本円を外貨にして入金するタイミング」と「外貨を円に戻して出金するタイミング」の両方で手数料が発生します。

これは実際に外貨預金を提供している会社が、外貨を実際に仕入れる手間から発生する手数料です。そのた、え円預金の感覚で頻繁に入出金するとその都度預金から為替手数料が発生することになるので、金利や差額で発生した利益を失ってしまうことにもなりかねません。

 

為替手数料に関しては金融機関によって異なりますが、どうしても入出金が多くなる場合には為替手数料が安い銀行で外貨預金の口座を開設するようにしましょう。

 

為替手数料は銀行の主な収益源の1つにもなるほど高く、意外と見落としがちな部分になっているので、常にトータルコストで考える癖をつけておくことが大切です。

外貨預金のデメリット③「預金保護(ペイオフ)の対象外」

円預金では、ペイオフと呼ばれる預金者を保護する制度があります。

これは万が一銀行が倒産しても、その銀行に預けている元本1000万と利息が保護される仕組みです。しかし、外貨預金にはこの預金保護(ペイオフ)が対象外になっています。

 

そのため、もしも銀行が破綻してしまった場合には外貨預金は保護されず、全ての預金が払い戻しできないケースが考えられるので、特定の銀行に多くの資産を外貨預金で預けておくことは避けるようにしましょう。

 

知らないとまずい外貨預金での注意点

外貨預金の注意点

外貨預金のメリット・デメリットを紹介しましたが、その他にも初心者が見落としがちになる部分が多くあります。

これは外貨預金と銀行預金を同じものとして考えているから発生する誤解ですが、知っておかなければ後で後悔することにもなりますので、ぜひ理解しておきましょう。

 

為替差額で発生した利益分を申告し忘れる

外貨預金では、金利の他に為替レートの変動によって差額分の利益が発生することもお伝えしました。利益が発生すれば嬉しく思いますが、この差額分の利益には注意が必要です。

 

というのも、外貨預金で発生した為替差損益は税法上で雑所得して取り扱われます。そのため、確定申告の際に税務署へ申告する必要があります。ただ、年収2000万円以下、為替差益を含めた給与所得と退職所得以外の所得が年間で20万円以下であれば、確定申告を行う必要はありません。また、為替差損は雑所得から控除することが可能です。

この申告に関しては、円預金では発生しないものになるので見落としてがちですが、確定申告の時期が近づいてきたら外貨預金によってどれぐらいの為替差益を得たのか把握しておきましょう。

 

外貨預金によっては複利が適応されない

外貨預金では金利で継続的に利息を得ることができます。

ただ、外貨預金には「複利」が適応されない商品があります。「複利」とは、最初に預けた預金だけに利息が発生する「単利」と違い、発生した利息を含めた総額に対して発生する利息で、雪だるま式に預金を増やすことができます。

 

長い年月をかけるほど「複利」で発生する利息は大きくなりますが、外貨預金には単利が適応される商品もあるため、「複利」のつもりで預けていると本来増えていた利益が発生しない状態になってしまいます。

 

「複利」については、素人でも分かる「複利」の凄さとは?複利運用で10年以上積立てた結果で紹介させて頂きましたが、運用期間が長いほど大きな利益を生み出すので、最初に商品の詳細を理解して外貨預金に預け入れるようにしましょう。

長い年月で運用することを前提に考えているのであれば、利息が大きくなる「複利」が適応される商品を選ぶのがオススメです。

 

お金に発生するリスクを考えて外貨預金へ

外貨預金は、通貨と通貨を交換して預金する方法ですが、簡単にいえばお金に発生するリスクを考慮しながら増える預け方をするやり方です。

 

日本では世界的に見て最も少子高齢化が進んでいますが、人口が減り続ける将来においては、現役世代が減ることで日本の経済力が低下していき、為替相場の流れも円安・ドル高に向かっていく可能性が高くなります。

 

もちろん、現状の経済状況や人口から考えられる可能性になりますが、様々な可能性を踏まえて日本円だけでお金を保有しておくだけではなく、米ドルやユーロといった通貨に分散させるのが資産運用の基本になります。

 

お金は銀行に預けていれば減らない、という考えは違う視点でみれば危険なものです。

 

銀行預金で資産を蓄えている人は、蓄えるだけでも発生するリスクを考えて、資産を分散して損をしないように預金できるようにしましょう。

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