日本は少し前まで「世界第2位の経済大国」と言われていました。
何を根拠に世界2位なのかというと「GDP(国内総生産)」です。
ニュースでもGDPは報道されているので、もしかしたら耳にしたという人もいるかもしれません。しかし、ここ数年で中国に抜かれて世界第3位になっています。世界1位はもちろんアメリカです。
引用元:世界の経済ネタ帳
中国に日本が抜かれたといっても、日本の1人あたりのGDPは中国の4分の1。しかし、一人あたりで見ると日本の世界的にみたランキングは23位とかなり落ちます。これはもちろん、アメリカも同じように落ちて9位。
引用元:GLOBAL NOTE
一言で簡単にいってしまえば、GDP=「国の経済規模」といえばイメージしやすいかと思います。
国の経済規模をGDPは数字で表しているのですが、経済規模を表しているですから、景気判断の1つの指標として見られています。
これは為替相場を舞台にしているFXでも非常に影響を及ぼしますし、雇用統計などと同じにチェックしておかなければいけない重要な経済指標です。
FXだけの話ではありませんが、自国の経済状況を判断出来たほうが常識的にも将来的にも色々と考える時間を作ってくれます。
今回の記事では、GDP(国内総生産)をFXで活かすために、GDPがどういった経済指標であり、どの部分をチェックしていけば役に立つのかお伝えしていきます。
大きな経済指標でもあるので、急な為替変動に惑わされることがなく、取引で活用できるようにぜひ知っておきましょう。
GDP(国内総生産)ってどんなもの?
GDP(国内総生産)とは、「Gross Domestic Product」の略で、一定期間内(四半期、または1年)に国内で生み出された付加価値の総額です。GDP(国内総生産)の発表時期は国それぞれによって異なりますが、日本では決まった日にちでの発表もなく、決まっているのは8時50分に発表されるという時間です。
GDPは国内生産活動を把握する経済指標で、実質GDPの伸び率で経済が好転しているのか、あるいは悪化しているかを判断します。
米国のGDPは世界全体のGDPの約20%~30%を占めるため、世界経済全体に大きな影響を及ぼす経済指標として世界中から注目されています。
GDPはニュースでもよく結果が報道されるほど馴染みがある経済指標で、国の経済の元気度が分かります。日本よりもアメリカは世界全体に影響を及ぼすため、やはりアメリカのGDPは特に注目を集めています。
しかし、初心者だけではなく、取引経験が豊富なトレーダーの中にも「知って入るけど詳しいことは分からない….」という投資家も少なくありません。
「GDPが上がった」と言っても何によって上がったのか、増えたのが公園なのか道路なのか、何の生産なのか分かりません。ただ、GDPの中身でいえば「個人消費」が回復することが望ましく、アメリカのGDPの約70%は「個人消費」です。
日本は約50%で、GDPの総額はもちろん大切なのですが、プロの投資家はその内訳や個人消費支出に特に注目しています。
GDPは国の経済力を判断する代表的な指標
GDPとは、「国内で生産された付加価値の合計」とよく言われますが、これだけだとほとんどの人が分からないのではないかと思います。
「付加価値」か何を表しているかというと、「儲け」のことで簡単にいえば発生した利益です。100円で仕入れたものを500円で売る場合は利益は400円です。
つまり、儲けた金額=付加価値ということです。
中国はかなりの企業が恩恵を受けている生産国として馴染み深い国ですが、中国で大量に安く作って高く売れば、そのぶん利益は大きくなりますよね。電化製品に服(ユニクロ)など様々で、中国大量に安く作った方が多くの付加価値を作ることができ、その付加価値がGDP(国内総生産)としてカウントされます。
付加価値の総額が大きければ大きいほど景気が良くなったという判断できます。
- GDPが大きい(利益が多い)→景気が良い
- GDPが小さい(利益が少ない)→景気が悪い
しかし、経済対草のために政府が道路を作って膨れ上がっただけの場合もありますので、GDPの中身である「個人消費」を回復することが重要なため、プロの投資家が注目しているということです。
簡潔にまとめると、「一定期間内に国内で新たに作れられた商品・サービスの付加価値(利益)」であり、日本全体の利益ということです。
項目別に発表される前期と比べた生産成長率
引用元:みんかぶFX
GDPは「個人消費」と「総民間国内投資」「政府支出」「輸出」の合計から「輸入を」ひいいて算出します。また、各項目別に前期と比べた成長率も発表されています。
まずは、利益合計の増加率がわかる「実質GDP」を確認しておき、数値が増えていれば多くの商売が成立して経済が潤っていると判断できるわけです。
また、GDPには「実質GDP」と「名目GDP」の2つがあります。
しかし、「実際GDP」は物価の変動による影響を取り除いたもので、例えば買う物の価値が倍になればGDPも倍になるという結果に当然なりますが、個人所得も2倍になるので個人が購入する量は同じで変化がないと判断します。
そのため、「実質GDP」のほうが経済の実態を測るうえでは重要視されます。
GDP(国内総生産)は長期運用向けの指標
GDP(国内総生産)については基本的に部分はお伝えしましたが、次はこれをFXで活かすためにどのように見ていけばいいかをお伝えしたいと思います。
GDPは特に経済の測る指標として代表的なものですが、単純に日本全体で数字が高いほど経済が良くまわっている、つまり景気が良いと判断できます。
これは雇用統計のような予測されている数値と実際の結果がかけ離れていると、大きな変動が起きる指標と違い、数値が高ければ高いほど良いとシンプルさがありますよね。
もちろん、スイングトレードなど長期的な運用をFXでしている投資家なら個人消費などの細かい点も見たほうがいいですが、短期~中期な取引をする際には値動きについていくことで大きな利益を出すことも可能になります。
なので、FXの取引で利益を出すためにもうGDPを少し詳しく説明したいと思います。
GDP(国内総生産)のポイント①
GDPは四半期、つまり3ヶ月に1回しか発表されません。
1月~3月の速報値が発表されるのが4月の終わり、5月の改定値がでて、6月の松に確報値でます。つまり発表毎月あるわけです。
そして、この数値が強ければ強いほど「景気が良い」状態です。
2期連続でマイナスだった場合には、「景気が後退している」と判断できます。
GDP発表の流れ | |||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
4月速報値 | 7月速報値 | 10月速報値 | 1月速報値 |
5月改定値 | 8月改定値 | 11月改定値 | 2月改定値 |
6月確報値 | 9月確報値 | 12月確報値 | 3月確報値 |
特に注目なのは4月・7月・10月・1月の速報値です。
他はよほど速報値とのズレがない限りは、大きなインパクトがありませんが、一番重要なのは「速報値が予想よりどれだけ強いのか」ということです。
GDPは経済力を示す一番大事な指標です。
ですが、速報性に劣るため雇用統計に比べると注目度が落ち、急激な値動きよりもジワジワと相場形成がなされることが多いため、短期よりも中長期向けの運用で重要になります。
GDP(国内総生産)のポイント②
GDPは四半期ごとの数字になりますが、速報値→改定値→確報値と3回発表されるため、毎月出てきます。GDPは速報値と他の値が大幅にズレることがありますが、それほど面倒が計算だということです。
さすがに大幅にズレが生じた際には、改定値や確報値の発表時もインパクトは大きなり、為替への影響も多くなるのでチェックは必須になります。
GDPも雇用統計やFOMCと同じく、市場予想と結果に差が大きければ大きいほど動きます。ただ、他の2つと違う点は毎月発表される内容が異なるため、雇用統計のように裏を読んだりすることなく、基本的にはGDPが強ければ素直に相場の流れに合わせた売買が可能になります。
「速報値」が予想と大幅にズレたときには大きく動くので、短期的に大きく儲けたいというトレーダーは積極的に取引し、長期運用で手堅くというひとは発表時は控えた取引を行いましょう。
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