巨額の資産を築いた本多静六から学ぶ、資産を増やす「お金への教養」

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巨額の資産を築いた本多静六から学ぶ、資産を増やす「お金への教養」

今の時代は普通に働いても大きな資産を築いていくのは難しい時代です。

年代ごとに少し異なりますが、貯金ゼロの世帯も全体で約3割だと金融広報中央委員の調査結果から分かっていますし、金利がわずか0.002%の銀行に預けていても何か大きな出費があれば大きく貯蓄が減る可能性もありますよね。

 

ただ、そのまま生活して余ったお金を貯金に回しても、中々思うように貯められない人も多いはずです。

今回の記事では、貧乏生活から巨額の資産を独自の貯蓄投資法や生活哲学で築いた本多静六氏の著書「私の財産告白」から資産を増やすために大切なことを紹介したいと思います。

 

本多静六氏は、明治時代に東京の日比谷公園を設立し、公園の父とも呼ばれる日本を代表する学者・造園家として成功した人です。その具体的な資産形成のやり方は、今でもお金を増やすためのお手本のような形で支持されているので、ぜひあなたも生活の参考にしてみましょう。

 

本多静六氏について

本多静六氏とは

冒頭で少し説明しましたが、多くの人は本多静六氏の事を知らないはずですので紹介したいと思います。

 

本多静六氏は伝説の億万長者とも呼ばれる人物で、明治時代から大正時代に林学博士として東京大学の教授をした経験があり、日本を代表する公園の日比谷公園や明治神宮、福岡の大濠公園などの設計を手掛けて公園の父とも言われている人です。

 

学者・造園家として成功した人物ですが、現在ではその独自の貯蓄投資術から投資家として成功した人として考えられる事が多くなっています。しかし、若い頃は貧しい生活をしており、本多静六氏はとある3つの貯蓄投資術を独自に考え、現在の価値で資産100億円を築くほどの成功を果たしたと言われています。

 

1952年に85歳で亡くなっていますが、1950年に出版された「私の財産告白」や「人生計画の立て方」「私の生活流儀」は、今での多くの節約家や投資家、起業家に読みつ継れている日本の名著です。

 

本多静六氏の考えた3つの蓄財投資術

投資家としての本多静六

本多静六氏の著書である「私の財産告白」では、本多静六氏の貯財術や心構えが紹介されている本になります。その本のなかには、上手に貯蓄をしていく方法や資産運用をするために大切な事が書かれており、これから資産設計を行いたい人には最適な1冊になっています。

 

多くを語ると膨大な内容になるので割愛しますが、その中でも本多静六氏の貯財投資術としてオススメしたいのか以下の3つです。

  • 収入の4分の1を貯金
  • 貯まったら投資に回す
  • 好景気には貯金、不景気には投資

 

実際に巨額の富を築いた人物が行った3つの貯財投資術を次は紹介していくので、しっかりと内容を理解していきましょう。

 

その1「収入の4分の1を貯金」

収入の4分の1を貯金とは、「四分の一天引き貯金法」とも呼ばれて本多静六氏の著書の中でも得に有名です。

膨大な資産を築く一歩として投資するにも元本は必要です。

「投資する元本がない」という人もいますが、元本は働いて得たお金を少しずつ貯めていくことでしか作れません。

 

本多静六氏は給料が入るとその25%を貯蓄に回し、ボーナスや臨時収入といったものも全て貯金することを徹底して守っていました。

 

手取り額が20万円であれば5万円。50万円であれば12万5,000円を貯蓄に回していく形です。これは収支を適切にコントロールすることができれば難しくはないはずです。

 

そして、これを意識することで「四分の一天引き貯金法」は誰でも実践できる資産形成の基本ともいえます。

年収が多くても貯金がゼロの人もいますし、たとえ収入が低かったとしても倹約すれば誰でも貯金はできます。本多静六氏も貧しい時から収入の4分の1を貯金していましたので、貯金ができていない人は収入の25%を目安に貯蓄を意識してみましょう。

本多静六氏の一言!

貯金生活をつづけて行く上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。 徒らに家柄を誇ったり、今までの仕来りや習慣にとらわれることなく、一切の見栄をさえなくすれば、四分の一天引生活位は誰にでも出来るのである。

自分のネウチが銀若しくは銅でしかないのに、暮しの方は金にしたい。金メッキでもいいから金に見せかけたい。 こういった虚栄心から多くの人が節倹出来ないのである。 

 

その2「貯まったら投資にまわす」

貯金していくことが大切なのは、投資するのにも資金が必要であり、そして利子率が一定でも、預金額が多ければ多いほど利息が発生して資産が膨らんでいくためです。当時は銀行に預けているだけでも利息で増えていましたが、現在は本多静六氏が生きていた頃とは異なりゼロ金利です。

意味がないとまでは言いませんが、資産を築くほど効果があるかといえば難しいところです。

 

しかし、例えば貯めた資金を投資運用して年利5%でも出せれば、受け取ることのできる利益は多くなります。これは預金額が多ければ多いほど受け取ることができますし、複利と呼ばれる利益をそのままに更に運用していくことで、資金を雪だるま式に増やすことができます。

 

本多静六氏の場合には株式と土地山林を投資対象として運用しています。

本多静六氏は「投機」を嫌い、あくまでも堅実な「投資」に徹したといわれていますが、これは倹約した金を使うのだから、ムダにしないよう分散投資でリスクヘッジにも努めたということです。

「投資の神様」といわれる、ウォーレン・バフェットのにも似た考え方がありますが、増えないお金よりをどう働かせるのか?というのを意識することから資産の見つめ直し方は始まります。

本多静六氏の一言!

貯金とアルバイトで雪達磨の芯を作る。さて、この後をどうするのか。これからが「致富の本街道」である。
新しく積極的な利殖法を考えることである。

それは断じて「投機」ではない。「思惑」ではいかん。
飽くまでも堅実な「投資」でなければならぬのだ。

 

その3「好景気には貯金、不景気には投資」

投資は短期的ではリスクが付きまとうため、如何に時間を使って運用するかが大切です。

つまり短期運用では言い投資をすることができないわけですが、本多静六氏は「好景気には勤倹貯蓄を、不景気には思い切った投資を」と言っています。

 

これは、好景気の時には金利が高くなるので銀行に預けているだけでもリターンを得ることができますが、不景気の時は株価や地価が低いので投資するべきということです。

つまり銀行預金ではお金が全く増えないが、景気が悪いため将来上がることを見越して有望株などに資金を投資しておくということになります。

 

株式投資では企業が倒産しないかぎりは資金がゼロになるリスクはありませんので、景気に流されて影響を受けた場合には景気の回復とともの大きく資産を増やせる可能性があります。

ただ、いくら本多静六氏でも失敗した経験はあるので、リスクの把握と資金管理は重要です。

本多静六氏の一言!

一様に、戦後の大変革の巨浪はおそって来た。そうして、更に一様に、失うべきもののすべてを失い、崩さるべきもののすべてを崩された。お互いにただ感慨無きを得ないわけである。

古往今来、天下滄桑(そうそう)の変の前には、天才者も凡人も、大事業家も小貯蓄家も、共に蒙るべき打撃に、大小軽重の差はなかったようである。
世界が動けば、自分も動く、世界がいかに動いても、自分だけはどうあっても動かぬという決め手は、昔からついぞ誰にも無かったようである。

ここで私は、「時勢には勝てない」という詠嘆と共に、「人生は七転び八起き」という古い言葉を今更ながら思いおこしたい。

 

老後資金のために重要度が増す資産形成

資産形成の重要性

2019年に「老後2000万円不足問題」が金融庁から発表されたことで、資産形成の重要度は増している現代ですが、20代から60代までの貯金ゼロの人は少なくありません。

  • 20代45.3%
  • 30代31.0%
  • 40代35.0%
  • 50代29.5%
  • 60代29.3%

こういった年代ごとの貯金状況を見ると、老後の生活をどう成り立たせるかというのを働ける現役世代の間だけに考えておくべき事ではなく、若いうちから考えておくことの大切さが伺えます。

 

「人生100年時代」と呼ばれるようになって老後の期間をどんどん増えるかもしれませんが、そうであれば老後の備えを貯金額を増やすことからでもいいので始めることが1つの手段です。

 

また、そのお金を預けているだけでは増えませんので、資産を眠らせるだけではなくどうやって働かせるのか、というステップを踏んでいくことも重要です。

本多静六氏のように資産を100億円とまでは言いませんが、これからの将来を見据えて本多静六氏を参考に学んで資産形成を今から始めてみてはいかがでしょうか。

 

まずは貯蓄、そして投資。

投資には必ずリスクがありますが、あなたの許容範囲を自身で把握して取り組んでいけばリスクは抑えることができますし、時間を使ってお金を働かせることでローリスク・ミドルリターンを得ることもできます。

 

本多静六氏のお金にまつわる一言

本多静六氏は、学者でありながら投資で資産を築いていく事が広まるにつれ、やっかんだり蔑んだりする人々が多く出てきていました。そういう批判の声に対して、本多静六氏は次のように苦言を呈しています。

 

「カネと言うものは重宝なものだ。まず一応、だれしもあればあるに越したことはない。

ところが、世の中には、往々間違った考えにとらわれて、この人生に最も大切な金を頭から否定してかかる手合いがある。

これはことに、日本人の間に昔からあったわるい癖で、いわゆる武士は食わねど高楊枝といった封建思想の余弊である。

しかも、それらの連中は全く金を欲しがらぬかといえば、さにあらず、金にたいしてはいっそう敏感ともいうべきで、敏感なればこそ人の懐ろ具合まで気になるわけなのである。」

 

日本では金融教育がないせいか、昔からお金を稼ぐこと、周りに話すことは「汚いこと」「いけないこと」かのように考える風潮があります。しかし、お金は私達の生活には欠かせませんし、あって困るものではありません。

 

必要なものであるからこそ、大切なお金を如何に増やしていくのかを本気で考えてみてください。

今回お伝えした本多静六氏の3つの貯財投資術を参考に、将来を見据えた堅実な資産形成を繋げられるようにしていきましょう。

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