不動産投資のリスク「家賃滞納」発生時の対処法とNG行動とは?

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不動産投資のリスク「家賃滞納」発生時の対処法とNG行動とは?

家賃滞納が発生した際に貸主がやってはいけない行動

不動産投資

ここまでの内容では、実際に家賃滞納が発生した際に解決するまでの流れや方法についてご紹介しました。しかし、実際には管理会社や保証会社を通さずに自己判断で解決しようと試みる貸主も少なくありません。

 

それ自体が悪いわけではありませんが、やはり経験が豊富で専門としている管理会社に任せるが一番であり、自己判断で解決しようとした結果、その行動が裏目に出て余計なトラブルや裁判時には不利になってしまうといったケースもあります。

そのため、次は家賃滞納が発生した際に不動産のオーナーとして行ってはいけないNG行動についても紹介したいと思います。

 

①家賃を滞納している入居者と勝手に入金約束を取り付ける

大家として入金の催促をしたいという気持ちはあるかもしれませんが、もしも入居者と勝手に入金の約束交渉をしてしまった場合、それを知らずに管理会社が取り立ててしまう場合があります。

こうなってしまえば、いくら家賃滞納をしてしまったとはいえ入居者との間にトラブルが発生してしまうこともあります。そのため、債権の回収に関しては全て管理会社に任せ、貸主自身は決して自分で解決しようとしないように注意しましょう。

②早朝や深夜に何回も電話する

貸主として家賃が滞納されれば、最も早く連絡が取れる手段として電話や訪問が挙げられます。家賃滞納者に支払いの催促をすること自体は正当な行為ではありますが、もしも脅迫じみたい催促を行った場合には違法行為とみなされる場合もあるので注意が必要です。

貸主にそういった意図がなかったとしても、早朝や深夜に入居者に対して電話や訪問による催促をする場合には違法行為としてみなされることもあり、特に深夜24時を超えて催促が行われたケースでは慰謝料請求が認められる事例もあります。

 

賃金業法では「正当な理由がなく、社会通念上不適当と認められる時間帯(夜8時以降翌朝7時まで)に、債務者に電話、FAX、訪問で取り立てる行為」を禁止していることもあり、貸主自身が無理に催促を行うのではなく、管理会社に全て任せるのが最も最適です。

もしも自身で催促する場合には、常識的な時間内での行動を心がけましょう。

③同じ日に何度も電話する

常識的な時間内で電話といった催促をするのは問題ありませんが、それでも何回も電話しているような場合には脅迫じみた催促とみなされる場合があります。訪問も同様ですが、直接訪問するのは貸主自身にも負担が大きく、ましてや何回も訪れるというのは難しいでしょう。

 

ただ、電話を行うことは難しくないこともあり、何回も同じ日に電話してしまうという人はいます。そういった数時間以内に何回も電話したり、許可のない訪問を何回もするといった場合では、脅迫とみなされて貸主自身が不利になるのでやめておきましょう。

④他の入居者に分かる形でポストや玄関に張り紙を貼る

入居者が家賃を滞納していることを他の入居者や周囲の第三者にわかるような形で催促する行動は違反行為となります。賃貸業法では、「張り紙・立て看板などの方法で債権者の借入に関する事実をその他債権者の私生活に関する事実を債権者以外の人に明らかにすること」は禁止行為とされています。

 

これは家賃滞納に限った話ではありませんが、やはり滞納したという問題を外部に漏らすということは当事者である債権者に問題が生じる場合やプラベートな部分になるため、過度の行為として問題となります。貸主として腹が立つという人もいるかもしれませんが、余計なトラブルや不利な状況にならないためにも冷静に対処しましょう。

⑤滞納者の職場に電話する

家賃を滞納した人の学校や勤務先に連絡を行い、催促をする行為も違法行為となります。こちらは先述と同じように債務に関する事実を第三者に明らかにすることになるため違反行為として見られます。

⑥無断で部屋に侵入する

いくら物件の所有者であったとしても、家賃を滞納した入居者の部屋に勝手に侵入してはいけません。住居侵入罪に問われる可能性があり、知らないでは済まされない問題に発展するため、所有する物件が近くで滞納者と連絡が取れないからといって強引な方法を試みるのは控えるようにしましょう。

⑦入居者の荷物や家具などを勝手に撤去する

家賃の滞納が発生したからといって、入居者の部屋にある家具や荷物を勝手に捨てるのはやめるようにしましょう。例え物件を所有する貸主であっても、そういった他人の所有物を勝手に撤去するのは「自力救済禁止の原則」に違反することになります。

 

この「自力救済禁止の原則」は、権利を実現するために強制力を行使する際、原則として裁判などの法的手段を通じて行わなければいけないというものです。つまり、裁判などの法的手段を用いずに自身で強制的な行動を行うことは違法行為となります。

そのため、入居者を退去させるためには「裁判での明け渡し訴訟」を行い、退去命令に従わない場合に明け渡しの強制執行をする流れを法的手段の手続きを踏んで行う必要ががあります。

 

貸主の中には家賃を支払わなければ追い出すのが当たり前だと考えてしまう人もいるかもしれませんが、いくら不動産所有者であっても勝手に入居者の物を撤去してしまえば器物損壊罪や窃盗罪とされる可能性もあり、きちんとした法的続きに従って対処するようにしましょう。

 

⑧鍵を勝手に付け替える

滞納者の部屋の鍵を勝手に取り付けかえてしまうという行為も先程の物を勝手に撤去する行為と同じく、「自力救済禁止の原則」に違反する事となります。仮に家賃を滞納した場合に貸主が鍵を交換できるという特約を契約書に記載しても、このような内容の規定は無効になる可能性が高くなっているため注意しましょう。

 

実際に契約書に滞納時の鍵交換を記載したうえで交換した事例では、借主の物件使用を阻害したとして貸主と管理会社に損害賠償が命じられています。

こういった事を考慮すれば、家賃滞納が発生した際に大家自身が何とかしようと対応しようとするのは逆効果になると分かりますが、そもそも家賃滞納さえ発生しなければ余計なリスクや問題を心配しなくても済みます。

そこで、次は不動産を所有する貸主として、家賃滞納を防ぐために行える対策方法についても紹介していこうと思います。

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