投資経験のない初心者からみれば、運用をすべてしてくれる投資信託ほど安心できる商品はないでしょう。ただ、運用を任せられる投資信託でも銘柄数は豊富であり、選ぶ信託次第で資産が減ってしまうリスクがあります。
そのため、いくら運用を任せられるといっても投資信託で購入する際には注意が必要です。そして、リスクを抑えられる投信を選ぶことも重要ですが、あなた自身に適した投信で着実に資産を増やせる投資信託を選択できるようになることも必要不可欠です。
といっても、初心者がいきなり資産を着実に増やせる投信を見つけられるのか疑問なはずです。そこで今回の記事では、これから投資信託で資産を増やしたいサラリーマンの資産形成に適した投信を選ぶ3つのポイントについて紹介していきたいと思います。
これから資産運用を検討している人や投資信託の購入で失敗したくない人は、ぜひ「増やせる投信」を選べるようになりましょう。
その1「世界市場で幅広く運用している」
投資の運用に専念出来る人を除けば、おそらく多くの人が空いた時間で資産運用を行うはずです。ただ、知識や経験を身に付ける時間が惜しいと考える人も多いはずですし、相場状況に一喜一憂したくないというサラリーマンも多くいると思います。
そんな本業があるサラリーマンが資産運用で利益を資産を形成していくには、相場の流れや急な値動きに一喜一憂せずに済むものを選ぶことが大切になります。
そして、長期間保有していることで着実に資産を増えていく可能性が高いものを見つけられればいうことはないでしょう。その投信を見つけるために重要なのは、国内だけではなく世界市場へ幅広く分散投資しているかどうかです。
これは、特定の国だけに投資先を限定するのではなく、世界全体に幅広く投資先をさせることで、特定の国の市場が乱れても長期的に見ると安定的に価格が上昇していくといわれているためです。
例えばですが、日経平均株価の30年の年率平均リターンは-1.3%程度なっており、0を下回っています。これでは長期運用していたとしても資産が逆に減ってしまう結果になることが分かります。
ただ、世界先進国や新興国の株式で構成される「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という指数は、30年での年率平均リターンは+7.2%程度と日経平均株価に比べると非常に高くなっています。
その2「投資信託の資産規模が一定以上ある」
投資信託を選ぶポイントの1つとして、純資産総額というものがあります。
この純資産総額とは、投信規模の大きさを表したものになり、基本的に純資産総額が大きいほうが良いといわれています。特にインデックス型のように市場へ連動した指数を目標値と知る場合には、規模の大きさが運用成績になる傾向が多いため、資産が豊富だと安定した運用を行えていると考えれます。
投信によっては、純資産総額の規模によって信託報酬を下げるものも存在しますので、運用にかかるコストを落とすこともできます。
ただ、アクティブ型ファンドの場合には、単純に純資産総額が大きければ良いというわけではありません。純資産総額が大きいアクティブ型では、売買によって株価に影響を与えてしまう可能性があるので、基本的に投資先は規模の大きい銘柄に限られてきます。
しかし、純資産規模が中規模程度であれば成長度合いや期待値もあるため、機動的な投資を行いやすく、高いリターンを得られるというメリットもあります。
実際に過去のリターンランキングなどでは、純資産総額が50億円〜300億円程度の信託に集中していることが多くなっています。あまりにも規模が小さくなると繰上償還という運用程度の可能性も考えられるため、考慮して考えましょう。
その3「信託で発生する手数料が高くない」
投資信託は個人が行う株式取引に比べると、基本的長期運用が前提の資産形成方法です。
個人の場合には細かい分析や売買も行いますので、短期や中期での臨機応変な取引が可能になりますが、長期投資においては基本的に専門家に運用を任せるので何も行う必要がありません。
ただ、長期運用においては、リターン以上に保有期間中に発生する手数料が低いかどうかが重要になります。投資信託では、基本的に3つ手数料が発生します。
- 買付手数料(購入時に発生)
- 信託報酬(運用管理費用)
- 信託財産留保額(売却時に発生)
購入時と売却時にはそれぞれ1回で済みますが、長期運用の場合には信託報酬と呼ばれるコストがずっとかかることになります。
この信託報酬は、投信の種類によって大きく異なり、大きければ大きいほど運用益も減ることになるので不利になります、
例えばですが、期待利回り3%の投信に毎月3万円程度を投資する場合、信託報酬が0.7%異なるだけでも30年間で166万円以上もの利益に違いがあります。特にインデックス型と呼ばれる投信については、年率0.1%〜0.5%程度の信託報酬が多くなっているので、年率1%〜2%程度のアクティブ型に比べるとコストを抑えることができます。
アクティブ型の投信では、経済状況や分析結果から臨機応変に売買や保有資産の割合を変えるため、管理手数料がどうしても高くなります。しかし、運用益が発生せずとも信託報酬は発生するので、元本割れをしてしまうということも珍しくありません。
投資信託の種類から初心者は考えてみる
投信の数は非常に多くなっています。投資信託協会によると5,805本(2020年9月末時点)もの株式投信が存在しているので、いくら運用を任せられるといっても安定して利益を得る投資信託を購入することは簡単ではないかもしれません。
しかし、何も数ある投資信託全てから厳選して考えることはありません。
投資信託には「アクティブ型」「インデックス型」「バランス型」の3つの種類がありますので、この3つの種類の中から自身の適したものや資産状況に合った種類を決め、その中から考えていくだけでもかなり数を絞ることができます。
また、NISAやつみたてNISAと呼ばれる制度を利用することで、投資信託での分配金や売却益に対して発生する税金が最大で120万円まで不要になります。
投資信託で発生した利益を資産として残していくためにも、NISAはぜひ利用するようにしましょう。
投資信託も難しそうという人は「ミニ株」に挑戦
投資信託も購入するだけですので一見手間がかからずに簡単そうですが、手数料は安定した運用益のことを考えると、意外と購入前に見ておくポイントは多くあります。
改めて考えてみると「意外と難しそう…」と思った人もいるのではないでしょうか。
そういう人にオススメなのが、「ミニ株」と呼ばれる投資方法です。
「ミニ株」は、本来まとまった資金が必要な株取引を100円や500円という少額で取引することができる投資で、多くの証券会社で取引することができます。
購入した銘柄によっては少額でも株主優待や配当金を貰うことができるので、まずは小銭程度の金額で始めてみてもいいかもしれません。また、最近ではキャッシュレス払いで発生したポイントを使って株を購入することもでき、買い物で還元されたポイントを使って「ミニ株」をする人も多くいます。
多くの人が使っているLINEでも、LINE証券と呼ばれる少額で投資できるサービスがあり、過去の利益率やデータからあなたに適した銘柄を提案してくれます。
そのため、まずは好きな企業に投資してみたり、ゲーム感覚で経験と考えて一歩踏み出してみてもいいでしょう。
まとめ
投資信託は、資産運用の方法としては最も人気のある投資です。ただ、運用を任せられるというメリットに隠れ、見落とすと危険な要素は多く潜んでいます。
特に初心者の人は、分からないから窓口で相談するというような人もいるかしれませんが、それでは「人気」や「流行」といった言葉で手数料高い商品へ誘導されることもあるので注意が必要してください。
購入してしまえば手のかからない投資信託ですが、長期運用が前提では大きな損失ともいえる差が発生いますので、購入前に今一度考えて候補を出すのが大切です。もちろん、いくら運用を任せるからといって資産状況を把握しておくのは大切ですので、一定期間ごとにポートフォリオを見直して資産を上手く形成できるようにしておきましょう、
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